続いて、PCの総合的な性能をチェックする「PCMark 10」を使って普段使いのパフォーマンスをチェックしてみよう。今回は、通常のテストに加えて3Dゲーミングのテストも行う「PCMark 10 Extended」を実行した。スコアは以下の通りとなった。
参考に、Core i7-1185G7(1.2GHz〜4.8GHz、4コア8スレッド)を搭載するIntelのリファレンスマシンの「最も高いパフォーマンス」で同じテストを実行した際の結果を以下に示す。
ワープロや表計算といったオフィスでの作業を想定した「Productivity」のスコア以外は、VAIO Zの方が良好な結果を残している。ビデオや写真などの編集能力を試す「Digital Content Creation」や3Dゲーミングのパフォーマンスを見る「Gaming」テストのように、CPUの稼働クロックの高さがモノをいうテストでは、VAIO Zの優位性をしっかりと確認できた。クリエイター向けのアプリや、負荷の重すぎない3Dゲームは、より快適に動作しそうである。
気になるのはProductivityのスコアだが、各社のノートPCで最近実施したテストと見比べると、VAIO Zのスコアはトップレベルである。言い換えれば「Intelのリファレンスマシンのスコアが良すぎる」状況である。筆者なりにその原因を調べてみたのだが、時間の都合もあり結論を得ることはできなかった。
Core i7-11375Hは、演算ユニット(EU)を96基備えるGPU「Intel Iris Xe Graphics」を内蔵している。このGPUは「エントリークラスの外部(独立)GPU並みの性能」を持ち、軽〜中程度の負荷の3Dゲームであれば外部GPUなしで楽しめるポテンシャルを備えているという。
そこで、負荷の大きめな3Dグラフィックス描画をテストする「3DMark」を実行して、その実力をチェックしてみよう。今回はDirectX 11を利用する「Fire Strike」と、DirectX 12を利用する「Time Spy」を利用する。
Fire Strikeでは、フルHD(1920×1080ピクセル)で描画するテストに加えて、4K(3840×2160ピクセル)で描画する「Ultra」テストも実施した。Time SpyではフルHDのテストに加えて、WQHD(2560×1440ピクセル)で描画する「Extreme」テストも実行した。
各テストの総合スコアは以下の通りだ。
いずれも、CPU内蔵GPUとしては高いスコアを記録している。とはいえ、フルHDを超える解像度でゲームをプレイすることは厳しいことは否めない。別途、そこそこスペックの高いグラフィックスカードとThunderbolt 3接続のGPUボックスを用意して、VAIO ZのThunderbolt 4端子につなげばWQHD/4Kゲーミングも不可能ではなさそうだ。
ただし、Thunderbolt 4ポートのデータ伝送帯域は最大40Gbps(PCI Express 3.0の5レーン相当)となるため、GPUの性能を引き出し切れない可能性は念頭に置きたい(参考記事)。
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