ASUS JAPANは2014年に国内の文教市場に参入して以降、継続的にChromebookを投入している。2021年1月には、「GIGAスクール構想」の早期実現に向けて製品を増産予定といったリリースを出すなど、積極的な後押しを図っている。
日本では、いまだにChrome OSを採用したデバイスは一般的といえるレベルに達していないが、2020年はGIGAスクール関連の調達/導入端末でChrome OSがトップに立つ(MM総研「GIGAスクール構想実現に向けたICT環境整備調査」より)など風向きは確実に変わりつつある。今後は高校生向けにも端末整備の支援が進むこともあり、まだまだ変化の余地はあるだろう。
3月17日に発表された「ASUS Chromebook Detachable CM3」(以下、CM3)は、10.5型の2in1 PCで、小型軽量のタブレットとしても、デタッチャブルのキーボードを使ってSurface風にも、内蔵可能なペンも使える多機能な1台だ。
ストレージに128GBのeMMCを採用した一般向けモデル(CM3000DVA-HT0019)が5万800円、64GB eMMCを備えた教育/法人向けモデル(CM3000DVA-HT0010)が4万4980円(税込み、以下同)で、前者が3月17日から、後者が4月中旬以降の発売予定となっている。
同時に、Windows 10 Pro Educationを搭載した11.6型の2in1モデル「ASUS B1100FKA」(B1100FKA-BP0402RA)も発表された。こちらは4月下旬以降の発売予定で、価格は4万4980円となる。
さて、今回利用したCM3(eMMC 128GBのCM3000DVA-HT0019)だが、ストレージ以外のスペックは共通だ。CPUはMediaTek MT8183(8コア8スレッド、1.6GHz〜2.0GHz)でメモリは4GB、内蔵GPUはArm Mali-G72 MP3となる。無線LANはWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)に対応し、Bluetooth 4.2もサポートする。
試しに、2017年に購入した2in1モデル「ASUS Chromebook Flip C101PA」(CPU:2GHz OP1 Hexa-core、メモリ:4GB、ストレージ:eMMC 16GB)と比べてみた。
Geekbench 5やOctane 2.0のスコアは下記の通りだ。以前取り上げたCore i7搭載のハイエンドChromebookの「ASUS Chromebook Flip C436FA」にはおよぶべくもないが、最新モデルだけにGeekbench 5ではC101PAよりもスコアは高く、マルチコアのスコアは約2倍になっていた。
上を見るとキリがなく、Linuxを使った開発用途などは荷が重いが、Webブラウズや動画の鑑賞はスムーズで、Google ドキュメントやスプレッドシート、スライドなどの操作もそつなくこなしてくれる。
バッテリーの容量は27Whで、駆動時間はGoogleの制定した測定方法による公称値だと本体のみで約12.3時間、デタッチャブルキーボード装着時は約12時間だ。試しに無線LANをオンにしてYouTubeで4K映像を全画面、最高輝度、音量は半分で連続再生を行ったところ、約4時間30分(バッテリー残量は1%)動作した。まずまずの値ではあるが、長時間の動画鑑賞や出先での利用が多い場合は、付属の45WタイプのACアダプター(USB Type-C)や、モバイルバッテリーなどを用意した方がいいだろう。
続いて、ボディー回りを見ていこう。
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