ここまでベンチマークテストをしてきたシステムにおける消費電力はどうだろうか。ワットチェッカーで測ってみよう。起動後10分間何もせず放置した状態の電力値を「アイドル時」、3DMarkのTime Spy Extremeを動作させた際の最高電力値を「高負荷時」として記録した。
アイドル時の消費電力は、どのGPUでも60Wを切る。一方で、高負荷時の電力はRX 6800 XTがダントツに高い447W、RX 6800が375Wで、RX 6700 XTの340Wが最も低い。消費電力当たりのパフォーマンスではRX 6800の優秀さが光る。ただ、前世代のカードと比べればRX 6700 XTも十分に優秀である。電源ユニットは650W〜700W前後の容量があれば十分だろう。
今回は、GPUに負荷を掛けた際のコア温度も計測した。3DMarkのストレステスト「Time Spy Stress Test」を使って、テスト開始から20分間の温度を採用している。
温度が最も高くなるのはRX 6800 XTで順当である。しかし、GPUパワーが最も低いはずのRX 6700 XTが2位に入ったのは意外に映る人もいるかもしれない。ピーク時のGPU温度が一番低かったのは、RX 6800である。
今回はどのGPUもリファレンスカードを利用している。先に触れた通り、RX 6700 XTのリファレンスカードは冷却ファンが2基構成となっている。それに対してRX 6800/6800 XTは3基構成である。シンプルにいえば、RX 6800のリファレンスカードは3連ファンのおかげでよく冷えたということだ。
もっとも、RX 6700 XTのピーク時のGPUコア温度は70度台にとどまっている。カードの寿命に悪影響を与えるような高温にはならないので、それほど気にしないで良いだろう。
ここまで見てきた通り、Radeon RX 6700 XTは、フルHDからWQHDまでのゲーミングに適した性能を備えている。それでいて、現行のRadeon RX 6000シリーズで最も低価格で、十分に魅力的なGPUといえるだろう。
ターゲットとするフルHD/WQHD解像度であれば、負荷の高いゲームから低いゲームまで、60fpsのフレームレートを確保できるポテンシャルを持ち、高リフレッシュレートディスプレイの“お供”としても最適だ。
上位モデルが軒並み高価なため、「ミドルレンジのGPUを待っていた!」というRadeon派のユーザーにとっては、まさに“待望のモデル”と言って差し支えないだろう。
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