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4Kで10点マルチタッチ対応の“全部入り”15.6型モバイルディスプレイを試すモバイルディスプレイの道(2/3 ページ)

» 2021年04月09日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

消費電力が高く接続方法にはややクセがある

 接続はHDMI、もしくはUSB Type-Cという、最近のモバイルディスプレイではおなじみの組み合わせだ。ポートは左側面にあるが、2基のUSB Type-Cポートのうち片方は給電専用となっている。

 本製品は消費電力が大きい4K液晶パネルを採用していることもあり、駆動には18W以上の電力供給が必要になる。これがかなりシビアで、USB Type-Cケーブル1本で接続する場合は接続のたびに明るさが自動的に「30」に制限される他、手動で明るさを引き上げようとすると、給電能力が低いデバイスではリセットして再起動がかかることもある。

 これを避けるには、USB Type-C接続の場合でも、もう一方の給電用USB Type-Cポートにケーブルをつなぎ、外部アダプターから給電するとよいのだが、ケーブルが2本になることで機動力が失われるので悩ましいところだ。

Better Digi Xcreen2go U15HT USB Type-C(DisplayPort Alternate Mode)での接続時は、左側面に2基あるUSB Type-Cポートの上側にケーブルを接続する
Better Digi Xcreen2go U15HT レノボ・ジャパンの14.1型ノートPC「ThinkPad X1 Carbon(2019)」(左)と接続したところ。上および左右の狭額縁が際立つ
Better Digi Xcreen2go U15HT 斜め方向から見ても色の変化は少なく見やすい
Better Digi Xcreen2go U15HT 本製品に限ったことではないが、ポートのある左側にノートPCを配置しようとすると、ケーブルが干渉しがちだ
Better Digi Xcreen2go U15HT そのため、多少なりとも本製品を奥にずらして配置し、コネクターが干渉しないようにすることが望ましい
Better Digi Xcreen2go U15HT プレゼンテーションの利用などを前提に、向かい合わせて配置した状態

 もう1つ面倒なのが、HDMI接続でタッチ操作を利用する場合の接続方法だ。給電用のUSBケーブルでタッチ信号の伝送もまとめて行えれば万事解決なのだが、USB Type-Cケーブルでこれを行おうとすると、映像信号まで伝送されてしまい、PCは2台のディスプレイが接続されていると誤認してしまう。

 今回の評価機材(ThinkPad X1 Carbon 2019)では、この影響か、セカンダリーの画面をタップしているのにプライマリーの画面(の同じ位置)が反応するというおかしな現象が発生した。これでは常時使うには厳しい。

 ではUSB Type-Cケーブルの代わりにUSB Type-A→Type-Cケーブルを使えばよいかというと、これもまた問題がある。タッチ信号は正常にやりとりでき、また映像信号が伝送されることもないのだが、肝心の給電能力が不足してしまい、明るさが制限されてしまう。今回の試用環境では30%に制限されたが、給電能力が低いデバイスでは、表示できなくてもおかしくない。

 唯一の解決策は、USB Type A→Type-CケーブルとUSB Type-Cケーブル、2本のUSBケーブルをつなぐことだ。前者はタッチ信号の伝送を行い、後者は給電専用ポートにつないで給電を行う。これならば明るさが制限されることもなく、タッチ操作も正常に行える。ただしこれだと、HDMIケーブルと合わせて3つのポートに3本のケーブルを接続しなければならなくなる。

 それゆえ本製品は、HDMI接続時はタッチ操作を原則あきらめた方がよいというのが筆者の私見だ。据え置きならまだしも、持ち歩いて設置するたびに3本のケーブルをつなぐのは現実的ではない。USB Type-Cケーブルでの接続で済むよう、環境の整備から始めた方がよいだろう。

 とはいえ、このUSB Type-Cでの接続にしても、画面の明るさに制限がつき、接続のたびに明るさを調整しなくてはいけない面倒さがある。接続先PCの給電能力や、本製品の表示設定にも左右されるとはいえ、4K解像度ならではの消費電力の高さが起因すると見られるだけに、本製品を使う以上、ある程度は覚悟をしておく必要がある。

Better Digi Xcreen2go U15HT HDMI接続時はUSBケーブルでの給電が必要になるが、給電専用USB Type-Cポートから接続するとタッチ機能が利用できない
Better Digi Xcreen2go U15HT 映像信号伝送用のUSB Type-Cポートにつなぐと、このようにディスプレイを2台接続しているように認識されてしまう。加えて、タッチ操作の反応する位置も不正確になる
Better Digi Xcreen2go U15HT HDMI接続でタッチ操作を行うには、USB Type-A→Type-Cケーブルでタッチ信号を伝送しつつ、USB Type-Cケーブルで外部から補助給電するのが望ましい。ただし、本製品にはHDMIを含めて3本ものケーブルをつなぐ形になる
Better Digi Xcreen2go U15HT 電力が不足すると画面の明るさが30%にリセットされてしまい、毎回調整しなくてはならなくなる。明るさを引き上げすぎるとリセットがかかることもある

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