トラックパッドを搭載したロジクール「FOLIO TOUCH iK1094BKA」は純正品と何が違う?第4世代iPad Air向けキーボード一体型ケースを試す(5/6 ページ)

» 2021年04月15日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

膝の上での作業には不向きで設置スペースも要注意

 最後に、ここまで紹介できなかったポイントをまとめておこう。

 まずは利用スタイルについてだ。本製品の場合、ほとんどはラップトップスタイルで利用することになるが、キーボード面を下に敷き、スタンドのように使うこともできる。このスタイルではキーボードは無効化されるので、下敷きになっているからといって誤作動を起こすこともない。ペン入力や動画鑑賞などでは、こういったスタイルもありだろう。

 キーボード面を背後に回して手で持つこともできる。1kgを超えることから常用は厳しいが、Magic Keyboardではこの持ち方はできないので、そうした意味では意義がある。Web画面を見たり、電子書籍を読んだりする場合などに適したスタイルだ。

FOLIO TOUCH iK1094BKA キーボード面を敷き、スタンド形状で利用することもできる。ペン入力などには便利だ
FOLIO TOUCH iK1094BKA キーボード面を裏面に回して手に持って使うこともできる。とはいえ重量はかなりあるので、あくまでも「(やろうと思えば)できます」という程度だ

 本体上部にはApple Pencilホルダーが用意されており、持ち歩く時はスリットにApple Pencilを差し込むことで脱落を防止できる。第2世代Apple Pencilの充電時は、このスリットから取り出して本体に吸着させる必要があるので、持ち運び中に充電はできない。iPadの構造による制限とはいえややちぐはぐで、もったいない印象だ。

FOLIO TOUCH iK1094BKA ホルダー部には切れ込みが入っており、そこにApple Pencilを通して固定する
FOLIO TOUCH iK1094BKA 第2世代Apple Pencilを充電する際は、ホルダーから抜いて本体に吸着させる必要がある。iPadの構造による制限とはいえやや面倒だ

 本製品が純正の2モデルに比べて不利なのは、膝の上などでの作業だ。他の2モデルは、キーボードを開いた状態で画面の角度を固定できるので、膝の上など不安定な場所でも作業しやすいが、本製品はキーボードとケース部が布地でつながっているだけなので、姿勢を変えるたびに角度が変わってしまい、安定してキー入力ができない。

 キックスタンドを採用する関係で、奥行きはかなりある。Magic Keyboardはフットプリントが実測で20cm、後ろにせり出した画面の奥行きを考慮しても25cmあれば済むが、本製品は置くためだけに奥行きが30cmは必要だ。狭いテーブルの上で作業を行う場合は、キックスタンドがテーブルに乗り切らない場合もあるだろう。

 その反面、本製品はパームレストのサイズに余裕があり、手のひらの付け根までしっかりとパームレストに乗り切るのは利点だ。パームレストの奥行きが短く、手のひらの付け根が段差にかかることから、長時間キー入力していると手が痛くなってくるMagic Keyboardと比べても、明らかに快適だ。

 まとめると、本体の奥行きが広くてもパームレストの快適さを求めるならば本製品、フットプリントのコンパクトさが優先でパームレストは最小限で構わない場合はMagic Keyboard、という選び方になる。

 一方で膝の上でキー入力をする機会が多い場合は、不安定になりがちな本製品や、パームレストがないSmart Keyboard Folioよりも、Magic Keyboardの方が向いている。重心が高いせいで背後に転倒しやすいことを差し引いても、実用性は上だろう。

FOLIO TOUCH iK1094BKA ケース部とキーボード部は布地でつながっているだけでカッチリと固定されるわけではない
FOLIO TOUCH iK1094BKA 本製品の奥行き。キックスタンド部だけで30cmは必要とする
FOLIO TOUCH iK1094BKA Magic Keyboardはフットプリントだけなら20cmあれば済む
FOLIO TOUCH iK1094BKA Smart Keyboard Folioもほぼ同等だ
FOLIO TOUCH iK1094BKA 本製品は奥行きが広いぶん、パームレストの天地サイズはかなり余裕がある

 まとめとして、本製品を使うに当たっての設定ポイントに触れよう。

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