本製品の利用にあたり、iPad側で行っておきたい設定が2つある。1つはEscキーの割り当てだ。独立したキーのないEscを、任意のキーに割り当てておけば、Escキーへの依存度が高いWindowsユーザなどは、圧倒的に使いやすくなる。Magic Keyboardでも利用できる設定だが、本製品でも可能だ。
もう1つはライブ変換のオン/オフだ。iOS 13.4で導入されたライブ変換は、変換キーを押さなくとも変換が適宜実行される優れた機能だが、文章の一部だけを修正する用途では、追記した語句の一部分だけを単語とみなして変換しようとするので、煩わしいことこの上ない。利用スタイルにもよるが、機能自体をオフにする手もあるだろう。
以上のように、ファンクションキーなど純正の2モデルにはない要素も多く、第4世代iPad Airと組み合わせて使うキーボード一体型ケースとして非常に魅力的だ。重量と厚さ、奥行きは気になるが、機能面は文句の付けようがない。発売以来、品薄になっているのも納得だ。
そして本製品最大のメリットは、実売で税込み1万9580円という価格にある。Magic Keyboardの同3万4980円はもちろん、Smart Keyboard Folioの同2万1780円よりも安価だ。これら純正モデルを購入する予算がなく、トータルで2万円の予算の中に収めたい場合には、格好の選択肢と言える。
気をつけたいのは、第4世代iPad Airとボディーサイズが同じ第2世代11インチiPad Proとは別モデル(iK1175BKA)になることだ。背面のカメラ部分さえくりぬいておけば共用できるはずが、あえてそうしなかったのは興味深い。Magic KeyboardとSmart Keyboard Folioはこの2製品で共有可能なだけに、うっかり勘違いしがちだ。購入にあたっては気をつけたい。
ファンクションキーとトラックパッドを両搭載し、日本語配列にも対応したこのキーボードを基準に新製品が開発されれば、製品選びの選択肢は広がるだけに今後が楽しみだ。
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