実録:NASのドライブを換装して容量を増やしてみる(QNAP編)最新NASのススメ(1/2 ページ)

» 2021年06月28日 12時30分 公開
[山口真弘ITmedia]
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 ドライブが付属せず自分でドライブを用意して組み込むタイプのNAS、いわゆる「NASキット」の多くは、ドライブの交換による容量増に対応している。2本のドライブを1本ずつ交換することから、RAID 1以上であることが前提になるが、電源を入れたまま作業が行えるので、運用を止めずに容量を増やせるのが利点だ。

 こういったドライブ交換による容量増加の手順について、ASUSTORのNASを例に紹介した。今回はQNAPのNAS「TS-253D」について、同様の手順で、ドライブの交換による容量の拡張を試してみたい。

TS-253D QNAPの2.5GbE対応NAS「TS-253D」。2.5GbEに対応した2ドライブのNASだ。詳しくは以前の移行記事を参照されたい

交換の手順は一般的 最後に容量拡張を行って完了

 ドライブ交換の流れは前回のASUSTORとほぼ同じで、2つあるスロットからドライブを1本抜き、新しいドライブへと交換して再構築(リビルド)を実行する。終わったら、残りもう1本を交換して同じく再構築を行う。トレイはネジによる取り付けは不要で、左右からアジャスターをはめ込むだけで済むため、ドライブ交換の手間もかからない。

 なお前回のASUSTORの場合、本来の手順に従わずにドライブを抜いた状態で起動し、その後は成り行き任せで作業を行ったが、本製品では設定画面の「ストレージ&スナップショット」の中に用意されている「ディスクを1台ずつ交換する」という正規の手順を用いて換装を行うことをお勧めする。理由は後述する。

 ちなみに2本のドライブの再構築時間は、トータルで15時間程度だった。前回紹介したASUSTORのNASは約20時間かかったので若干短めだが、前回は8TBから10TBへの換装、今回は3TBから8TBへの換装と条件が異なるため、所要時間はおおむね同程度と考えてよいだろう。ただし本製品は残り時間の表示がかなりアバウトで、いつ終わるか予測しづらいのがマイナスだ(後述)。

TS-253D 設定画面の「ストレージ&スナップショット」を開き、ボリュームを指定して「管理」→「管理」→「ディスクを1台ずつ交換」を選択。この時点で既に階層が深く、目的の操作を探し当てにくい
TS-253D メニューが表示されるので一方のドライブを指定して「変更」をクリック。説明欄が「このドライブを取り外してください」になるのを確認する
TS-253D 対象のドライブを取り外す。指定したのと違うドライブを外さないよう注意しよう
TS-253D 新旧のドライブを並べたところ。左上のトレイに取り付けて元の状態に戻す。ちなみにこの間もNAS本体の電源はずっとオンになったままだ
TS-253D 再構築が開始される。列が狭いために進ちょく表示が隠れてしまっている(再構築開始後は列幅を変えられない)。マウスオーバーするとパーセンテージだけは表示される
TS-253D もう1つ上位階層の画面も、やはり状態列のパーセンテージ表示は隠れたままだ。また「再同期の速度」に表示されている残り時間は変動が激しくあてにならない
TS-253D 約9時間かかって1本目の再構築が完了した。続いて2台目の交換を行うために、さきほどと同じく「管理」→「ディスクを1台ずつ交換」を選択する
TS-253D 2台目のドライブを取り外して交換し、再度スロットに挿入する
TS-253D 同様の手順で再構築を開始
TS-253D こちらの再構築は約6時間で終了した。この時点ではまだ容量は「2.65TB」と従来の3TBドライブ時のままだ

 さて、再構築が終わるのを待って、新しいドライブの容量をフルに利用できるよう、容量の拡張作業を行う。2本のドライブの再構築が終わった時点で、設定画面上の「容量の拡張」というボタンがアクティブになるので、それを押すだけだ。

 ちなみにこの拡張作業自体は開始から終了まで11時間と、前回のASUSTORに比べておよそ2倍の時間がかかった。換装前(3TB)と換装後(8TB)の容量差があるぶん、時間がかかる格好だ。もっともボタンを押した後は何かをする必要はなく、放置しておけば済むので、手間自体が増えるわけではない。気長に待てばよいだけだ。

 以上により、容量が増えた状態で新しいドライブが利用できるようになる。これらの作業においては、NAS本体の電源をオフにする必要はない他、作業中にデータにアクセスすることも可能だ。

TS-253D 「ディスクを1台ずつ交換する」の画面の右下にある「容量の拡張」というボタンが押せるようになっているのでクリックし、拡張の実行を開始する
TS-253D 拡張を実行中。処理としては「同期中」という呼び方になるようだ
TS-253D 完了。左上の容量が無事「7.08TB」へと増加していることが分かる
TS-253D 「ストレージ&スナップショット」→「ディスク/VJBOD」の画面でも、RAIDグループとして7.27TBと認識されていることが分かる

 続いて、QNAP製NASを使って気になったところをまとめた。

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