実録:NASのドライブを換装して容量を増やしてみる(QNAP編)最新NASのススメ(2/2 ページ)

» 2021年06月28日 12時30分 公開
[山口真弘ITmedia]
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UIの分かりづらさはややネック?

 さて今回は、前回のASUSTORのようにドライブをいきなり抜くことなく、設定画面上で定められた手順に従って換装を行ったわけだが、それには理由がある。それは同製品の設定画面があまり分かりやすいと言えず、手順をきちんと把握しながらでないと、どこまで作業を進めたか分からなくなりかねないからだ。

 本製品のドライブ交換は、設定画面の「ストレージ&スナップショット」から行うのだが、ほぼ一本道で操作を間違えようがないASUSTORやSynologyのNASと異なり、本製品は1つの画面内でできることが多すぎて、どう操作してよいか迷いがちになる。操作を誤らないためにも、きちんと把握しながら作業を進めた方が得策というわけだ。

 また不親切に感じる表示も多い。例えば予想残り時間は、あと数時間と表示されていたのが、次の瞬間に100時間以上になったりと、変動が激しすぎて当てにならない。一般的にこういった予想残り時間は、直前何秒かのスループットから平均値を算出するが、対象の時間が短すぎるためか、ちょっとしたことで大きく変動する。作業時間の予想が立てられないのは非常に不便だ。

TS-253D 「ストレージ&スナップショット」の画面。ドライブ交換を行うにあたり、どこをクリックして進めればよいか一発で正解を見つけるのは難しい
TS-253D あらかじめ列幅を広げておけばこのように進ちょくのパーセンテージが表示されるが、そうでない状態で再構築を開始すると列幅を変更できない

 また設定画面のメニューや項目の名前もやや紛らわしい。例えば容量の拡張は「ディスクを1台ずつ交換する」の画面内にあるのだが、その上位階層にあたる画面でも「拡張」というボタンがあり、うっかりこちらだと勘違いしかねない。このように、不慣れなユーザーが勘違いしやすい箇所は複数散見される。

TS-253D 容量拡張前の画面。容量の拡張は画面右中段「管理」→「ディスクを1台ずつ交換する」→「容量の拡張」と進むのだが、この画面にも上段に「拡張」というボタンがあり紛らわしい。こちらはRAIDの拡張で全く別の機能だ

 もう1つ、これもQNAPのNAS製品の特徴なのだが、とにかく警告音がけたたましい。このドライブの交換の作業中も、警告を意味するビープ音が何度も鳴るので、周囲に一言断っておかないと、何事が起こったのかと心配されかねない。今回のように、常に設定画面を表示していて、ステータスを把握できるのであれば、ビープ音は一時的にオフに設定してもいいかもしれない。

TS-253D ビープ音が騒々しい場合は、コントロールパネルの「ハードウェア」にある「オーディオアラート」のチェックを外しておくとよい。ちなみに、ASUSTORやSynologyはアラートを発する条件を細かく制御できるが、QNAPは2択のみだ

手順は一般的だが初心者にはハードルが高い

 以上のように、ドライブ交換の手順そのものは一般的なのだが、UIがあまり親切とは言えないせいで、ASUSTORやSynologyの製品と比べると、何をしていいか迷うことが多い。RAIDに関する知識よりも、同社のUIにどれだけ慣れているかの方が重要で、初心者には少々ハードルが高い。機能自体は充実しているので、非常にもったいない印象だ。

TS-253D ヘルプについても、他社のように「何をしたいか」形式ではなく、単に機能の説明でしかないのが少々つらい。用語も初心者には難解だ
TS-253D 他社(Synology)のヘルプ。目的ごとの操作手順や注意点が図を使って具体的にまとめられている

 次回はNASキットの活用編ということで、Web設定画面へのログインにおける2段階認証の設定を見ていく予定だ。

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