秋葉原のPCパーツショップは、4連休初日の7月22日から来客がグンと伸びたところが多いという。TSUKUMO eX.は「学生さんやカップル、お子様連れの方など、この夏に自作PCを始めたいというお客さんが一気に増えました。夏休みモードに入った感がありますね」と語る。
街を歩いても、先週より明らかに人の往来が増えている。しかし、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の空気感は不自然なほど筆者の五感に届いてこなかった。外国人観光客が少ないのは、入国制限や外出自粛を要請している状況を考えると当然かもしれない。ただ、街路でも店内でも五輪に関連する宣伝やPOPなどはほとんど目に入らない。中央通りを通り過ぎるタクシーに「TOKYO 2020」のロゴが見られるくらいだ。
あるショップはこう語る。「何かしらの圧力があって五輪色を出していないわけじゃなくて、ショップやメーカー、代理店がそれぞれの判断で前面に出すのを控えているのかなと思います。率直に言って万人受けする状況ではなくて。販売促進で無駄にギャンブルをすることになってしまうんです。五輪には触れずに普段通りのキャンペーンに徹する方が良いと、皆が皆判断した結果なのかな」という。
それでも、家電量販店では7月に入ってから大型TVの売り上げが急増したとの情報もある。消費者の五輪特需はそれなりにありそうだが、「スポーツイベントと自作PCの間に距離ができたのでは」という声もある。
20年前からPCパーツショップで働いているある店員氏は「かつては五輪やワールドカップがあるたびにTVチューナーカードや大容量HDDの売り上げが伸びました。しかし、PCでTV録画するニーズは少し前に落ち着いてしまいましたからね。欲しい人はもちろんいると思いますが、数字で言えば今のところ平行線です」と話していた。
この空気感が今度どう変わるのか、引き続き観察していきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.