E Inkの読書端末に電子ノートが合体! 楽天「Kobo Elipsa」の電子ノート機能の実用度をチェックした(3/4 ページ)

» 2021年08月23日 12時00分 公開
[山口真弘,ITmedia]

専用機顔負けの多機能ノート 外部データの取り込み機能はやや不安

 では、もう一方の多機能ノートについて見ていこう。こちらは前述の無地ノートと異なり、描画や図、数式、フリースペースの挿入機能など、さまざまな機能が盛り込まれている。ノート名の通りの多機能ぶりだ。

 さらに、書き込んだテキストをOCRで読み取ってテキストデータに変換する機能もある。日本語にもきちんと対応しており実用的だ。電子ノートの専用機にも負けない出来で、むしろノートの種類を分けるより、こちらに一本化した方が、ユーザーも迷わず使えてよいのではと感じる。

Kobo Elipsa 多機能ノートのオプションにある選択肢。前述の「無地ノート」のオプションに比べて、描画や図、数式、フリースペースの挿入機能や変換機能など、メニューの数が多い
Kobo Elipsa 手書き文字をテキストに変換できる。日本語にも対応する
Kobo Elipsa スタイラスで手書きした後、指でダブルタップすると変換が実行される
Kobo Elipsa 変換完了。精度はかなり高い。文字や行間を詰めることもできる
Kobo Elipsa こちらは図形の変換機能。丸を描いたあと指先でダブルタップすると……
Kobo Elipsa 図形としての丸印に変換された

 さて、こうしたE Ink電子ノートでは他社製品との差が出がちな、データの書き出しはどうだろうか。前述の無地ノート/多機能ノートともに、JPEGかPNG、もしくはPDFに変換しての保存となる(複数枚の場合はZIP圧縮される)。

 これらは有線でPCに転送するか、もしくはDropboxを使ってクラウドにアップロードする。クラウドストレージの選択肢はもう少し欲しいのが本音だが、機能としては不足はなく、動作も安定している。本製品でノートを取ってDropboxに書き出し、必要に応じてスマホで参照したり、PCで加工したりするというルーティンもスムーズだ。

 前述の多機能ノートでテキスト変換した文字は、テキスト(txt)またはWord、HTMLで書き出すこともできる。他のデバイスに移して再利用することを重視した設計で、ユーザーからすると使い方の幅が広がるのでありがたい。

Kobo Elipsa データはPCの他、Dropboxに書き出すことができる。選択肢は少ないものの、手軽で信頼性も高い

 ただし、この書き出し機能、細かい使い勝手にはまだまだ粗が目立つ。例えばファイル名が重複した場合の選択肢は「上書き」「キャンセル」の2択で、後ろに連番などを自動付与する機能がない。

 さらに困るのは、その場でファイル名を手動変更する機能がないため、元ファイルを一旦閉じ、ファイル一覧から名前の変更を行うしかないことだ。新規作成時にファイル名を手動で付けなくてはいけないことと合わせて、著しく不親切だ。

 また外部から取り込んだPDFを開くと、このノート機能で開かれるのではなく、電子書籍ビューアが起動してしまう。そのため、外部から取り込んだPDFは、基本的に表示することしかできない。電子書籍にスタイラスで書き込む機能もあるにはあるが、フォントサイズの変更によって位置がズレるなど、実用性は高くない。

 さらにこの電子書籍ビューアでPDFを開いた場合、Acrobatで書き込んだ注釈類は一切表示されないので、校正用のデバイスとして利用するのも不可能だ。本製品で新規作成したノートをPDFとして外部に書き出すのは得意だが、取り込んで使うのは苦手という、性格的にかなりクセのある製品であることが分かる。

Kobo Elipsa 外部で作成した注釈入りのPDFファイルをDropbox経由で本製品に取り込むと……
Kobo Elipsa 電子書籍ビューア上で表示されてしまい、注釈やマークアップ類は非表示になってしまう

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