では、ノート機能についてざっと見ていこう。本製品のノート機能は、画面下段のメニューバーにある「ノート」をタップして起動する。ホーム画面には、これまで使用したノートが並ぶのに加え、左上の「+」と書かれたサムネイルをタップすることで、ノートの新規作成が行える。
ノートには標準的な機能を備えた「無地ノート」と、図形や数式、手書き変換が可能な「多機能ノート」の2種類があり、後述する用途によって使い分ける。余談だがこのノートの名前は、英語版では「Basic notebook」「Advanced notebook」となっており、本来ならば「標準ノート」「拡張ノート」とでもすべきところ、誤訳したのではないかと考えられる。
「無地ノート」は、フリーハンドでメモを取るためのノートで、用意されているテンプレートは方眼紙など4種類と白紙のみだ。ペンの種類は5種類、太さが5種類から選べ、筆圧検知にも対応している(ペンの種類による)。
独特なのは、5種類から選択できる「色合い」が、黒/赤/青などのカラーではなく、グレーのパーセンテージの違いでしかないことだ。
E Inkの電子ノートでは、画面上では白黒表示でも、エクスポートしたPDFファイル上では色がついて表示される仕組みを備えることが多い。しかし、本製品のそれは単なるグレースケールの濃度の違いでしかないので、エクスポートしても見た目は同じだ。少々不思議な機能だ。
消しゴム機能は、範囲選択機能のみが用意されており、ストローク単位で消すには、スタイラスペンに2つ並んだ後方のボタンを押しながらなぞる。この他にアンドゥ、リドゥ機能も用意されている。おおむね一般的な使い勝手だ。
動作速度については、高速に筆記すると若干ストロークが遅れる印象があるが、前回紹介したQUADERNOに比べるとそう感じるだけで、実用レベルには達している。長いストロークでもペン先がきちんと追従してくるので、ストレスになるレベルではない。以下の動画も参照してほしい。
以上のように、電子ノートで筆記するための機能は一通り用意されており、普段遣いには適しているものの、描画や図の挿入機能や、手書き文字をテキストに変換できる機能はなく、競合のE Ink電子ノートと比較して、機能は控えめだ。
またテンプレートも追加機能はなく、用途に応じたテンプレートを自作して追加できる他社製品と比べると見劣りする。この無地ノートだけならば、電子書籍端末のおまけの域を出ないというのが率直な印象だ。
続いて、多機能ノートについてチェックする。
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