10.3型のE Inkスクリーンを採用したデジタルノート「Supernote A5 X」。レビュー前編では、基本的な使い方をお届けした。活用編となる後編では、ノート機能やWordの編集機能、さらにKindleアプリの使い勝手をチェックする。
まずは前回紹介したスタイラスペンを用いた、ノート機能について見ていこう。
本製品には下線や方眼のサイズが異なるさまざまなノートの他、スケジュール帳やカレンダーなど多数のフォーマットが収録されており、それらを呼び出して使用する。ページは自由に増やすことができ、それらをまとめたファイルを保存する仕組みだ。
ペンは種類や太さ、濃さをメニューから選択できる。種類には均一な太さの線を引ける「ボールペン(ファインポイント)」、筆圧検知で太さが変わる「インクペン」、太い線を引ける「マーカー」などがある。もっとも細い線はボールペンの0.1mm、太いのはマーカーの2.0mmだ。
消しゴム(標準/エリア/全画面)、選択範囲の移動/コピー/拡大縮小などの操作、最大20回のアンドゥ機能に加え、3層までのレイヤーをメインレイヤー上に重ねる機能もある。一般的なデジタルノートによくある、図形機能が用意されていないのが多少目につくくらいだ。
レスポンスについては、E Inkとしてはかなり俊敏だ。iPad+Apple Pencilほどのリアルタイム性はなく、あまりに筆記のスピードが早すぎると動きについてこなくなることもあるが、通常の手描きのペースで問題になることはない。
書き終わったノートは、共有メニューから外部への書き出しが行える。中でも面白いのは、ノートの内容をクラウドにアップロードすると同時に、そのURLをQRコードに変換してスマホで読み取り、クラウド経由でノートを転送する機能だ。本製品で記入したノートをスマホで表示するには、これがもっとも手軽なソリューションだ。
また本製品は独自クラウドおよびDropboxとの同期機能を備えており、こちらを使って外部デバイスと同期することもできる。双方向で同期が行われるので、ノートを出力するだけでなく、外部デバイスで作成したデータを本製品で読み出す場合にも利用可能だ。
同期を設定しておくと、画面上部のツールバーから指定のフォルダーと本製品の間でボタン一発で同期できるようになるので、わざわざPCにケーブルを接続してデータを吸い上げる必要がなくなる。ちなみに、定期的に自動同期する機能はないようだ。
いずれにせよこの手のデバイスでは、外部デバイスへの書き出しが容易かどうかが使い勝手の成否を握るケースが多いが、本製品はこうした同期機能以外にも独自アプリを使ってのスマホとの同期や、メールに添付しての送信にも対応する。PCと有線で接続してのデータ転送も含めて、この種のデバイスの中では、かなり充実していると言っていいだろう。
続いて、本製品ならではの機能を見ていこう。
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