10.3型ながら300g台の激軽E Inkノート「Supernote A5 X」を試してみた(後編)Word文書の編集からKindleでの読書まで(2/4 ページ)

» 2021年03月23日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

Word文書は編集もサポート PDFビューア機能はいまひとつ?

 本製品は、JPGやPNGといった画像形式の他、複数のドキュメントの表示をサポートする。中でも特徴的なのは、PDFやEPUBといった一般的なフォーマットに加えて、Word文書(doc、docx)をサポートしていることだ。

 Word文書が表示できるだけでも珍しいのだが、本製品は新規作成や編集にも対応しており、スタイラスペンを使って書いた文字をテキストに変換することもできる。きちんと日本語に対応しており、精度もそこそこ高い。

Supernote A5 X 新規作成メニューから、Word(.doc)が指定できる。この種のデバイスでWord文書の新規作成に対応するのは珍しい
Supernote A5 X 新規作成画面。下段のキーボードは英語、日本語、および手書きに対応する
Supernote A5 X 手書きに切り替え、スタイラスペンを使って日本語を書き込むと……
Supernote A5 X テキストに変換される。精度も高く、スピードも速い

 ただし実用性が高いのは、むしろ編集機能の方だろう。指定のマークを記入することで、テキストの削除/改行/転置/手描き挿入/スペース挿入などの編集が行える。元文書をダイレクトに編集してしまうという、なかなか大胆な機能だ。

 その一方、校閲機能を使ってコメントを書き込む機能はない。むしろこちらの方が欲しかったという人はいるかもしれない。またフォーマットの変換、具体的にはWordからPDFやテキストなどに変換する機能はない。

Supernote A5 X 横棒を引くとテキストの「削除」が行える
Supernote A5 X 縦棒を引くと「改行」が行える
Supernote A5 X Vの字を記入すると、手書き文字がテキストに変換されての「手描き挿入」が行える
Supernote A5 X Sの字を記入すると、前後の「転置」が行える。ちなみに角は鋭角的にする必要がある
Supernote A5 X 逆三角マークを記入すると「スペース挿入」が行える

 このように、普通はできないWordの編集をサポートする一方で、PDF回りはむしろ機能が少なく驚かされる。閲覧およびトリミングに対応し、手書きメモも追加できるのだが、PDFの注釈とは互換性がない。ブックマーク機能も、本製品内でしか通用しないお気に入り機能でしかない。

 Acrobatで記入した注釈を本製品で表示した場合も、矢印や長方形など外観は表示されるのだが、そこにつけられたコメントを表示できないので、何を意図して書き込まれたのか分からないままだ。つまりPDF回りの注釈については、実質的に使い物にならない。むしろここを頑張ってほしかったように思う。

Supernote A5 X PDFの操作メニューを上段に表示したところ。注釈関連のツールは用意されていない
Supernote A5 X 手描きのメモは記入できるが、PDF標準の注釈とは互換性がない
Supernote A5 X Acrobatで注釈を書き込んだPDFを表示してみた。図形などの外観は再現できている
Supernote A5 X ただし、コメントがポップアップ表示できないので、意図するところが読み取れない

 次に、Kindleアプリで電子書籍を閲覧してみよう。

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