以上のように、Word文書の編集など普通はできないことができてしまう驚きはある一方、Kindleアプリのように「まだまだ載せただけ」という機能もあるが、電子ノートとしての実力は紛れもなくトップクラスだ。
中でも際立つのはやはり軽さ、そして薄さだ。カバー装着状態でもわずか約537gと、iPad(約490g)とほぼ変わらない重量は、毎日持ち歩くのには最適だ。また薄さをアピールする製品の中には、保護カバーを装着すると別物のようにゴツくなる製品も少なくないだけに、カバーを装着してもスリムな本製品の仕様は際立つ。
特に本製品は、側面が垂直にカットされたスクエアの形状ゆえ、厚みのあるプラ板のように見えてしまう。薄さと軽さを重視するならば、過去に紹介した富士通のクアデルノやOnyxのBOOXシリーズの強力なライバルとなるだろう。
逆に、メーラーが搭載されている一方で、Webブラウザが省かれているなど、あっておかしくない機能がちょくちょく欠けていたりもする。Webにアクセスできれば、いざという時に情報を参照できて役に立つが、本製品はそれがない。Kindleですら搭載していることを考えると、ややマイナスだ。フロントライトがない点も要注意だろう。
もう1つ、ボタンやメニューをタップした時の反応が控えめなのも気になるところだ。一般的に、タッチ画面上のボタンやメニューは、押した瞬間に色が変わったり、へこんだようなアニメーション効果が表示されたりと、さまざまな反応(インタラクション)がある。それがないと、ユーザーはきちんと操作が受け付けられたか確認できないからだ。
特にE Inkは、液晶に比べてどうしてもレスポンスが一拍空くため、こういったインタラクションは大きめの方がよいのだが、本製品はそのインタラクションに変化が少なすぎて気づかないことが多く、結果的に、もう一度同じ操作をしてしまうなど、ユーザー側を迷わせがちだ。もう少し分かりやすくてもよいと感じる。
ちらほらと気になるところはある本製品だが、ソフトウェアアップデートによる機能改善や追加も頻繁に行われており、今後にも期待できる。税込みで5万9800円という実売価格の価値は十分にある製品と言えるだろう。
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