以上はスマホでの応対手順だが、さらにスマートディスプレイ「Google Nest Hub」を所有している場合、ドアベルが押されると、カメラの捉えた訪問者の映像へと画面が切り替わり、タップしての応答が可能になる。
できる操作はスマホアプリとほぼ同一だが、通知をタップしなければ表示されないスマホアプリと違って、Google Nest Hubの場合は自動的に表示される点が異なっている。TVドアホンで、ボタンが押された瞬間にモニターがオンになるのと同様の使い勝手だ。
画面にどんな情報を表示していても、お構いなしでカメラの映像が表示されるのはギョッとするが、もしこれが全て手動だと、スマホで通知を受け取ってからGoogle Nest Hubに声をかけ、カメラの画面を呼び出す操作が必要になり、どんなに早くても10秒はかかるだろう。
気の長くない訪問者であれば、それだけで立ち去ってしまう可能性もあるわけで、ドアベルの挙動としてはこれが正解だろう。
ちなみに、ドアベルのボタンが押されない場合でも、カメラの映像を確認することは可能だ。Google Nest Hubに向けて「(ドアベルの名前)を見せて」と呼び掛ければ、ボタンを押した際とほぼ同様の画面が表示されるので、それを見ながら、マイク経由で声をかけることができる。
なお、Google Nest Hubの画面にカメラの映像を延々と表示させておけるGoogle Nest Camと異なり、本製品は一定時間が経過すると画面がオフになってしまう。バッテリーを節約する関係もあるのだろうが、ネットワークカメラとの性格の違いを感じる。
さて、ドアベルのカメラが捉えた映像については、以前紹介したGoogle Nest Camと同様に、高度な解析機能を利用できる。
具体的には、被写体が人物なのか車両なのかといった被写体別の認識はもちろん、登録済みの人物であれば、名前も教えてくれる。これらの検出エリアは任意に指定できるので、例えばドアベルの視界の中に向かいの道路が映り込んでいて車が通るたびに通知される場合、訪問者が映り込むエリアだけを指定することが可能だ。
さらに、直近3時間を超えるカメラの履歴は、サブスクリプションサービス「Google Nest Aware」を用いてクラウドに記録され、外出先から訪問者をチェックしたり、動画としてダウンロードしたりすることもできる。これらは基本的に、前回紹介したGoogle Nest Camと同様だ。
Google Nest Hubと組み合わせるにあたって気をつけたいのは、通知のタイミングだ。Google Nest Hubで通知が行われるのはサイレントモードになっていない場合のみで、筆者のように常時サイレントモードで使っているユーザーにとっては少々不便だ。常時このドアベルが使えるよう、運用を見直さざるを得ない場合も出てくるだろう。
また、同じネットワーク上に複数のGoogle Nest Hubがある場合は、TV通話機能で呼び出しを行った場合と同様、全てが呼び出されることになる。任意の1台だけが反応するようにするには、前述のサイレントモードを活用したり、あるいはGoogle Homeの設定で家を分けたりといった工夫をする必要になる。
本製品は現状、特定の端末とだけペアリングするという概念がなく、Googleアカウントにひもづいたデバイス全てに通知を送る設定になっている(オン/オフも一括でしかできない)ので、これは回避できない。もう少し融通が利いてもいいかもしれない。
最後に、ネットワークカメラのGoogle Nest Camとの違いをチェックする。
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