100円ショップで売られているPCやスマホのアクセサリー 安全性はどうなのか:牧ノブユキの「ワークアラウンド」(1/2 ページ)

» 2021年10月31日 11時00分 公開
[牧ノブユキ,ITmedia]
work around

 PCやスマートフォンのアクセサリーを入手するにあたって、いまや無視できない存在になりつつあるのが、100円ショップで販売されている製品だ。家電量販店やネットショップではなく、まずは目的の品が100円ショップで手に入らないか、チェックするのが習慣になっている人も多いのではないだろうか。

 もっとも100円ショップの製品は、その安さから、品質面や安全性について、疑問の目が向けられることもよくある。特に電源タップやイヤフォンなど通電系のアイテムは、売場で製造不良による回収のお知らせを目にすることもある。「100円ショップで売ってるPCやスマホの小物って買っても大丈夫なの?」と、疑問を抱いたり、家族や友人から聞かれたりしたことはないだろうか。

 しかし高級感の有無といった品質面はともかくとして、安全性については、専業メーカーの製品と比べても遜色ないか、むしろ見方によってはそれ以上といえる。その理由をみていくことにしよう。

100円ショップの製品はなぜ安全性が高いといえるのか

 「100円ショップの製品は安全性が高い」といえる最大の理由は、出荷ボリュームの多さだ。100円ショップは全国津々浦々に多数の店舗があるため、ひとたび定番商品に入ってしまえば、家電量販店が束になってもかなわない数量が出荷される。ちなみに家電量販店は多いところでも数百店舗にとどまるのに対して、100円ショップは多いところでは3000店舗を超えている。

 店舗数が多く出荷ボリュームが多いぶん、実際に製品を使うユーザーもそれだけ多いので、不良が発覚すれば、すぐに白日のもとにさらされる。それがロット単位の不良であることが分かれば、すぐに店頭から撤去されるので、店頭で不良品を引く率は、結果的に低くなる。要するに「数が出ている分だけチェックが働きやすくなる」という理屈である。

 これに加えて、客層の違いによる、不良品に向けられる目の厳しさも、無視できない要因だ。例えばPCにある程度詳しいユーザーであれば、専業メーカーのアイテムで不良品の疑いがある場合、原因を推察し、自力で解決することを考える他、仮に手に負えなかったとしても、冷静に良品との交換か、もしくは返品かを要求してくる。キレる人はゼロではないが、かなり少ない。全体的に寛容だ。

 PC周辺機器・アクセサリーの専業メーカーは、こうした寛容なユーザーに慣れているため、ある意味で感覚がまひしてしまっているといえる。それ故、メーカーによっては、本来ならばきちんと告知をして回収しなくてはいけない品でも、何週間も対応を放置したり、後継製品への切り替えによって製品を終息させてうやむやにしたりすることもある。

 ところが、これが100円ショップを利用する一般ユーザーだとそうはいかない。多くは自力でどうにかするという発想がまずなく、中にはクレーマーまがいのいちゃもんをつけてくる人もいる。また家電量販店と違ってメーカー色が薄く(実際に100円ショップの自社ブランドとして販売されている製品も多い)、製品そのものの評価が、店の評判にダイレクトに結び付きがちだ。

 これに加えて100円ショップは前述のように出荷ボリュームが多いため、手をこまねいていると、同様のトラブルが全国で同時多発的に起こる可能性がある。しかもそれが電源タップのように、火災など人命に関わる危険があれば、すぐに手を打たなければ、企業として存亡の危機に立たされる。

 こうしたことから(特に通電系の製品については)ロット不良が発覚したときの出荷停止や回収といった対応は迅速だ。冒頭にも挙げた、製品回収を知らせる店頭の貼り紙はまさにその証といえる。「貼り紙があるから危険」ではない。その逆だ。

 なので正確にいうと、不良率そのものが低い故に安全なのではない。ユーザーが多く、かつ品質に対して厳しい目を持っているユーザーが多い故に不良が発覚しやすく、またそうした事態における対応が迅速なことから、まだ誰も引き当てていない不良品を自分が引き当ててしまう確率が低いという話だ。

 言い換えれば、100円ショップで発売されたての新製品に関しては、不良率はある程度高くても不思議ではない。不良品を出さないためのノウハウは、これまで数々の品を手掛けてきた専業メーカーの方が高いのが当然で、市場に投入したての状態で比較すれば、また違った結果が出るだろう。しかし発売から日数がたてばたつほど、ここまで見てきたような傾向が顕著になってくるというわけだ。

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