4K/144Hzで色鮮やかな画面! ASUSの32型「ROG Swift PG32UQ」は長く使える相棒になれるか試してみた(3/3 ページ)

» 2021年12月15日 16時30分 公開
[雪城あさぎITmedia]
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4K表示で作業環境を拡張

 普段、フルHD解像度(1920×1080ピクセル)で仕事や趣味の制作を行う筆者にとって、4K解像度で表示される領域はかなり広く感じる。PC側で推奨される文字などの表示倍率は150%と少々大きくなるが、100%にしても十分見られる大きさになっており、この表示領域の広さはうまく使ってみたい。

 そこで、4K表示の状態でディスプレイのスケーリングを150%、100%のそれぞれで作業スペースの使い方を考えてみた。150%ではフルHD解像度の状態と似ていて、32型の大画面を大胆に使った作業が可能になる。表示される文字は大きいが、解像度は高いままのため、細かい画像処理やイラスト制作に便利な表示倍率だ。文字も大きくくっきりと表示されるので見やすい。

ROG Swift PG32UQ 表示倍率150%でのウィンドウ配置。イラスト制作の他、ブラウザを使った資料探しや自身で取材した写真資料などが大きく表示され、それぞれの確認を行いやすいと感じた

 一方の100%では、テキストやアイコンが小さく表示されるが、広い作業スペースを使って多くのウィンドウを並べられる。文字サイズもアイコンの全角文字で実測2mm程度のため識別は可能だ。例えばExcelやPDFの資料を確認しつつ、ビデオ会議用のアプリを端に配置しておけば「相手の顔の確認」「資料の確認」の両方を行え、少し便利になるように感じる。

ROG Swift PG32UQ ビデオ会議を想定した画面配置。人物の顔は表情を把握できればよく、それより会議資料をまとめて確認しやすい大きさのウィンドウを配置する方が効率的だろう

 個人的に使いやすかったのは、やはり150%の表示倍率だ。ゲームをプレイしたり映像を鑑賞したりする際はフルスクリーンにすれば高解像度で鮮やかな映像を楽しめる上、テキストも見やすい。100%では大きな作業スペースを使える一方でテキストが小さいため、少々使いにくいのが難点だった。この辺りのあんばいは視力や好みなどにも大きく左右されるので、参考として見てほしい。

4K/144Hzでゲームを満喫するには高いPCスペックが必要

 最近では、60Hz以上、70Hz前後のディスプレイが一般的になりつつあるが、リフレッシュレートが高いと映像が切り替わるタイミングが増え、なめらかに表示されるようになる。これにELMB SyncやG-SYNC Compatibleを加えて利用することで、さらにくっきりとした映像を楽しめる。

 ただ、高解像度、高リフレッシュレートの映像出力には高めのPCスペックが必要となる、参考として、今回の検証にあたって使用した筆者所有PCの主要なスペックを記しておく。

CPU Core i7-10700(8コア16スレッド、2.9GHz〜4.8GHz)
GPU ZOTAC製NVIDIA GeForce RTX 3070(グラフィックスメモリは8GB)
メモリ DDR4 32GB
ストレージ キオクシア製512GB M.2 SSD

 以上のスペックで、一般的なゲーミングPCよりは少々高めだと思ってはいたが、結果として今回遊んだPC版「APEX Legends」では、DisplayPortでのオーバークロック時の155Hzはもちろん144Hz出力もかなわなかった。

 フレームレート計測ソフト「Fraps」を利用して計測した場合と、表示していただけの場合ではフレームレートに違いはなかったが、最高フレームレートが132fps、最低が100fps前後という状態だった。確かに60fps以上でなめらかな映像表示を楽しむことはできたが、目に見えるチラつき、映像飛びが発生し、対戦中に4K144Hzを存分に楽しめなかった。

ROG Swift PG32UQ APEX Legendsのゲーム画面

 とはいえ、60Hz以上のリフレッシュレートでは映像が飛んだとしても軽微なもので、「相手がちょっと動いた」とか「背景が少し揺れた」とかいった一瞬のチラつき程度だ。プロeスポーツプレーヤーが自宅での練習に使うならまだしも、一般的なユーザーがゲームを楽しむためなら十分といえる。

 一方で、PS5向けゲーム「DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT」を遊んでみると、4K映像で終始スムーズな映像表示を楽しめた。家庭用ゲーム機向けに調整されていること、PlayStation 5やXbox Series Xが最大120fpsのフレームレートであることを考えれば、家庭用ゲーム機を接続するのであれば十分以上に働いてくれるだろう。

ROG Swift PG32UQ DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUTのゲーム画面。PS5で4K120Hzに正式対応し、家庭用機でもかなりリッチなゲーム体験が可能になった

 PCでの出力時、もちろんGPUのDisplayPort 1.4端子から出力していたのだが、それでも144Hz出力ができないので、GeForce RTX 3080Ti/3090の出番となるだろう。PC組み立て時に予算面で諦めてしまった部分であり、今になって歯がゆい思いをしている。

求められる全部入りのスペックで長く付き合える1台

 以上のことから、PG32UQは高性能でリッチな価格にふさわしい映像表示機能を持っているが、それをフルに生かしたAAAタイトルを楽しむには、要求するPCスペックも高くなる。もちろん、普段使いであればそこまで高いスペックは不要で、DisplayHDR 600をサポートし色域も広めなので、Netflixなどのエンターテインメントコンテンツを満喫できる。

 値段は張るが、高機能でさまざまな設定が行えるため、自分に適した形で追い込めば、長く付き合える相棒として、またとない選択肢となるだろう。

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