SpotCam Solo 2に関して一番押さえておきたいことは、「赤外線感知の人体センサーでスイッチが入り、10〜30秒撮影を行う監視カメラ」であるということだ。完全ワイヤレスを実現するために極力撮影を行わない省電力設計になっており、他の連続撮影を行うSpotCamシリーズとは全くの別モノになっている。
そのため、SpotCamのサポートページを見ても、そこで紹介されている画面が実際の画面と異なっていて途方に暮れたこともたびたびで、SpotCam Solo/Ringシリーズとその他のSpotCam製品が全くの別物であるということに気づくまでは非常に苦労した。SpotCam Solo/Ringシリーズのことであると書かれていない限り、SpotCamの説明はSpotCam Solo 2には当てはまらないことが多いと思っておく必要がある。
しかし、スマホアプリやビデオAIサービスなどは共通となっているようで、AC給電を前提として連続撮影を行う他シリーズでは意味があることも、SpotCam Solo 2では無意味な項目/サービスであることもある。赤ちゃん泣き声検知などは特にそうだ。赤ちゃんがいくら泣き叫んでいても、動体が検知されなければアラートが発報されることはない。
また、フィルムや映像、動画といった本来ほとんど同じ意味を持つ言葉を異なるモノに使い分けており、訳語が統一されていないことも混乱に拍車をかけている。果たして「自分で録画した映像からフィルムを作成する」という文章の意味をすぐに理解できる人がいるのだろうか。しかも、それで作られたフィルムが「マイ動画」に保存されるとなるといよいよ混乱してしまう。
オプションのクラウドプランも、よく見るとクラウドビデオストレージとクラウドビデオバックアップ、という使い分けがなされているが、この2つが並んで説明されているページも見当たらなかった。同じ30日間保存でもクラウドビデオストレージが月額19.95ドルであるのに対し、クラウドビデオバックアップは月額2.95ドルと、大きく違いがあるので注意したい。
通販サイトを見ても、製品仕様を勘違いしていたり、別モデルと混同したりしているようなレビューも散見される。それもやむを得ないと思うくらい、他シリーズでできてSpotCam Solo 2でできないことに対する説明が見当たらない。
実際のところ、試用において赤外線感知の人体センサーによるトリガーは検知漏れもなく、かなりニーズに応えてくれる製品ではあった。どういった製品であるか、きちんと理解した上で購入/利用する分には納得感のある価格(税込み1万3900円前後)と性能なので、ぜひ製品やサービスに関する分かりやすい説明を期待したい。
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