2021年はCPUとマザーボードのトレンドが大きく動いた1年だった。前編に続き、後編もアキバの変遷を時系列で振り返っていく。
2021年に入って目立っていたのは、AMD「Ryzen 5000」シリーズの枯渇ぶりだ。2020年11月の発売時から人気と供給不足による品薄傾向が続いており、2月に入ってもモデル単位で入荷しては1日も待たずに完売するといった光景が繰り返された。
この時期、入手困難なパーツといえば、どこのショップに尋ねても、このRyzen 5000シリーズと、マイニングブームにより枯渇していたGeForce RTX 3080搭載グラフィックスカードが挙げられた。
あまりの品薄ぶりで、3月には複数のショップでCPUシェアの逆転が起きるほどだったが、4月に入るとようやく供給が安定するようになる。枯渇具合が深刻化するグラフィックスカードを尻目に、再び主力プラットフォームとしての地位を固めた。
なお、3月末には64コア128スレッドの「Ryzen Threadripper PRO 3995WX」を初めとした「3000WX」シリーズが登場し、ワークステーション向けの分野でもインパクトを残している。
一方のIntelは3月末に「第11世代Core i」シリーズを投入している。2月中旬に対応するZ590マザーとB560マザーが店頭に並び、後はCPUを待つのみという流れで登場したが、Ryzen 5000シリーズの潤沢化と重なったことにより、シェア争いで優位に立つことはできなかった。3月末の時点で「Ryzen 5000が長らく枯渇していますが、それでもAMDが優勢です。3000番代も含めて8:2で圧倒しています」(あるショップ)との評を聞いている。
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