夏場もRyzen優勢は変わらない。ボリュームゾーンとなっていた第11世代Core i5シリーズが全般的に品薄になる中で、8月初旬にグラフィックス機能を内蔵したAPU「Ryzen 5000G」シリーズを投入すると、こちらも好評を博す。
ミドルからハイエンドまでRyzen人気が圧倒し、Intelの存在感は「全体の予算を抑えてそこそこのマシンを組みたい人には、2万円以下で買える第10世代のCore i5-10400が定番の人気です」(TSUKUMO eX.、8月)と、ローエンドでようやく感じられるほどだった。
その状況は、11月4日に第12世代Core iシリーズが登場したことで一変する。新ソケットのLGA1700を採用し、DDR5/DDR4をサポートするなど従来の世代から仕様を大幅に更新しており、16コア24スレッドの「Core i9-12900K」を筆頭に大いに注目を集めた。
対応するIntel Z690チップセット搭載マザーやDDR5メモリが高価であることなどから、発売当初こそRyzen優勢を覆す予測は聞かれなかった。しかし、週単位で評価が変わっていき、12月に入る頃にはどこのショップでも「Intel優勢」と口をそろえるまでになる。
ただ、盛り返せたのは、発売から時間が経って値下がりした第11世代の存在が大きいという。12月末、ドスパラ秋葉原本店は「トータルで価格を抑えたい人のニーズが第11世代に集まっています。第10世代も併せてミドルクラスまでの選択肢が幅広いですから」と話していた。
とはいえ、Ryzenの人気が没落したという訳ではなく、「それぞれ人気があり、その上で第11世代と第12世代の総合力でIntelが押しているという感じです。非常にいい売れ方だと思います」(パソコンSHOPアーク)といったコメントを複数店で耳にしている。
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