第12世代Core iシリーズが登場する前はCPUとマザーボード、DDR5メモリ、CPUクーラーのいずれも供給不足の予想がなされていた。実際、いずれも潤沢な在庫でスタートを切ったわけではなかったが、とりわけ枯渇が目立ったのはDDR5メモリだった。
第12世代Core iシリーズと同時に11月4日から売り出されたが、その瞬間から取り合いの様相を呈していたのを記憶している。11月中はとりわけ希少なオーバークロックタイプのDDR5-5200を探し求めて、複数店舗を回る人を何度も見かけた。
第12世代Core iシリーズの大きな目玉といえるDDR5メモリが手に入らない。かといって「DDR4対応のマザーボードに切り替えるというケースはほとんどありません」(パソコン工房 秋葉原BUYMORE店)。この状況に「まるで第12世代に立ちふさがる番人ですよ」との評も聞こえてきた。
わずかばかりに供給されるDDR5メモリをできるだけ多くの人に届けるため、ショップが打った戦法はマザーボードとのセット販売だ。ASUS JAPANやMSIのように、メーカーや代理店レベルで独自にDDR5メモリキットを用意して、自社マザーとのセット販売を実施するケースも見られた。当時あるショップは「業界全体で供給不足だという証明ですよね。我々の策は転売防止の意味合いもあります」と話していた。
12月末時点でも供給不足の解消には至っていないが、12月中旬には状況が緩和された感がある。G.SKILLの「Trident Z5/Z5 RGB」シリーズに属するDDR5-6000/5600モデルなどが複数店に入荷し、一部のショップでセット販売を解除する動きも見られた。パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「半導体不足や流通の問題などで先が読めないのは変わらないので、恐る恐るの暫定的な判断です」と語る。
その暫定的な措置が12月下旬にかけて、複数店に広がっている感がある。うれしい状況ではあるが、やはり「警戒」を解くショップは見当たらない。
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