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ワークステーション向けCPU「Ryzen Threadripper PRO 5000」が登場 Zen 3アーキテクチャを採用(1/2 ページ)

» 2022年03月08日 23時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは3月8日(米国太平洋時間)、ワークステーション向けの新型CPU「Ryzen Threadripper PRO 5000シリーズ」を発表した。搭載製品の第1弾はLenovoの「ThinkStation P620」の新モデルで、他のPCメーカーからも搭載製品が登場する予定だという。

いよいよTheradripperもZen 3に Ryzen Threadripper PRO 5000シリーズがついに登場

Ryzen Threadripper PRO 5000シリーズの概要

 Ryzen Threadripper PRO 5000シリーズは、「Ryzen Threadripper 3000シリーズ」や「Ryzen Threadripper PRO 3000シリーズ」の後継となるCPUで、企業向けの管理/セキュリティ機能「AMD PRO」にも対応している。TDP(熱設計電力)は全モデルで280Wに設定されている。

 CPUコアはRyzen Threadripperとしては初めて「Zen 3アーキテクチャ」を採用することで、IPC(単位クロック当たりの処理パフォーマンス)を改善している。IntelのXeonプロセッサを意識してか、AMDは「シングルプロセッサでも、競合のデュアルプロセッサシステムよりも最大で2倍のパフォーマンスを発揮する」とアピールする。

 CPU直結のPCI Express 4.0バスは128レーン用意しており、Intelの「Xeon W-3300シリーズ」の2倍の接続性を備えていることもアピールしている。メインメモリはDDR4-3200規格のUDIMM、RDIMM、LRDIMMに対応しており、2TBまで搭載可能だ。ECC(エラー訂正)対応モジュールにも対応している。

比較 Ryzen Threadripper PRO 3000シリーズとRyzen Threadripper PRO 5000シリーズの機能比較。最高クロックが4.5GHzに引き上げられた他、CCX(CPUコアとL3キャッシュがセットになったユニット)の構造変更により最大で合計256MBのL3キャッシュを備えるようになった
W-3300シリーズとの比較 IntelのXeon W-3300シリーズとの比較。あらゆる面でRyzen Threadripper PRO 5000シリーズの方が優れているということをアピールしているが、特に企業向けの管理機能(Intelでいう「Intel vPro」)の有無は用途によっては大きいかもしれない
サステナビリティ 最上位の「Ryzen Threadripper PRO 5995WXは、Xeon Platinum 8280(2.7GHz〜4GHz、28コア56スレッド)を2基搭載したシステムを比較するとコア当たりの消費電力を最大67%削減しつつ、最大39%高速な3Dレンダリングを行えるという。CPUの想定用途を考えると、本来Xeon Platinumと比べるべきはEPYCシリーズなのだが、どうやらRyzen Threadripper PROでも十分に“勝てる”ということをアピールしたいようである

Ryzen Threadripper PRO 5000シリーズのラインアップ

 Ryzen Threadripper PRO 5000シリーズのラインアップは以下の通りとなる。

  • Ryzen Threadripper PRO 5945WX(4.1GHz〜4.5GHz、12コア24スレッド、70MBキャッシュ)
  • Ryzen Threadripper PRO 5955WX(4.0GHz〜4.5GHz、16コア32スレッド、72MBキャッシュ)
  • Ryzen Threadripper PRO 5965WX(3.8GHz〜4.5GHz、24コア48スレッド、140MBキャッシュ)
  • Ryzen Threadripper PRO 5975WX(3.6GHz〜4.5GHz、32コア64スレッド、144MBキャッシュ)
  • Ryzen Threadripper PRO 5995WX(2.7GHz〜4.5GHz、64コア128スレッド、288MBキャッシュ)
ラインアップ 従来のRyzen Threadripper 3000シリーズとRyzen Threadripper 5000シリーズのラインアップ。新シリーズでは、従来にはなかった24コア48スレッド構成のモデルも用意している
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