「Fire 7(第12世代)」はマンガ向き? 6980円で買える小型タブレットを検証(3/3 ページ)

» 2022年07月05日 12時00分 公開
[石井徹ITmedia]
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電子書籍リーダとしての実力は? Kindle Paperwhiteと比べてみる

 新しいFire 7は、電子書籍リーダーとして便利に使えるのだろうか。Amazonは電子書籍リーダー「Kindleシリーズ」も販売している。今回はミドルレンジモデルの「Kindle Paperwhite」と比較しつつ検証してみようと思う。

 Kindle Paperwhiteと比べると、Fire 7には「カラー表示」と「microSDメモリーカード対応」の2点で大きなメリットがある。

 Paperwhiteを含めて、Kindleシリーズは電子書籍が白黒で表示されてしまう。Fire 7なら、マンガのフルカラーページを単行本に近いサイズ感で楽しめる。加えて、microSDメモリーカードで保存領域を拡張できるので、より多くの電子書籍をストック可能だ。計算上は、1TBのmicroSDXCを搭載すると約2万冊保存できる

 Fire 7の“サイズ感”も絶妙だ。ボディーサイズは約181(幅)×118(高さ)×9.7(厚さ)mmと、新書やコミックの単行本の寸法に近い。片手で持って操作する際も取り回しやすい。

再掲 ベゼル込みの大きさをコミック本のサイズで例えるなら、「新書判」より一回り大きく、「四六判」よりも小さい。写真のように片手でも十分に取り回せるサイズ感である

 画面の額縁(ベゼル)は実寸で約11〜13mmと太い。そのため、電子書籍の表示領域は小さめになってしまう。だが、この額縁が電子書籍を読む時には便利なこともある。片手持ちで本を読む時にはベゼルが「余白」として機能するため、親指を休ませておけるのだ。

 ただし、重量には注意を要する。Fire 7は約282gと、画面サイズの割に重めである。純正カバーを装着すると、合計で約417gという重さになる。

小説 意外にもしっくり来たのが「電子書籍の横向き表示」。縦幅は文庫本の半分程度だが、重さがある本体を安定して持てるのでとても良い

 また、Kindle Paperwhiteのような電子ペーパー(E Ink)を備える電子書籍リーダーと比べると、画面の粗さはどうしても目立つ。

 Fire 7のIPS液晶ディスプレイの画素密度は171ppiで、iPadで例えるなら2013年発売の初代「iPad mini」の163ppiに近い。マンガを1ページ表示して吹き出しを読む分には十分な解像感を備えているが、雑誌や新聞(紙面表示)で本文を読みたいなら1ページずつ、しかも拡大しながらでないと厳しい面があるかもしれない。

 E Ink搭載のKindleシリーズは、日中の日差しが強い場所での読みやすさが強みである。その点、IPSパネルとはいえ液晶ディスプレイを採用するFire 7は、屋外での視認性にどうしても弱みがある。表示方式の違いもあるせいか、目にかかる負担もFire 7の方が大きいように感じる。

並べる Kindle Paperwhite シグニチャーエディション(左)と並べてみる。文字が主体の小説なら、どちらも可読性は高い
マンガはいい E Inkを使うKindle Paperwhite シグニチャーエディションとは異なり、Fire 7ならマンガをカラー表示できる
マンガはいい 最近は電子書籍版限定で「フルカラー版」やカラーページを増量する作品も増えている。電子書籍化されたマンガを存分に楽しむならFire 7は悪くない選択肢といえる(写真の作品は佐藤秀峰著「ブラックジャックによろしく 完全版 第2巻」)

 電子書籍リーダーとしてFire 7を見てみると、カラー表示できることは明確な強みではある一方で、画面の見やすさでは劣る面がある。本来はE Ink搭載端末よりも優れているはずのタッチ操作の反応速度も、プロセッサのパワー不足により“ヌルヌルさ”を体感できるとは言いがたい状況にある。

 ただし、Fire 7は税込み価格が6980円と、数あるタブレット端末の中でも最安クラスの価格の製品となっている。マンガを読むために“ついで買い”しても、十分に元を取れるだろう。


 Fire 7のほど良いサイズ感は、マンガを読むのにぴったりだ。単体でも電子書籍端末として使えるが、電子ペーパー搭載のKindle デバイスと組み合わせも良さそうだ。例えば、マンガを読み進める中でカラーページをブックマークしておいて、カラーページだけ後でFire 7で確認するという使い方が考えられる。

 電子書籍端末として十分に生かせなかったとしても、Fire 7ならベッドサイドの動画専用機にしたり、Alexa対応のスマートディスプレイにするなど「第2の用途」が考えられる。使い勝手の選択肢の広さもまた魅力といえる。

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