デル・テクノロジーズが2月15日に発売した「Alienware x14」は、約14.5mmの薄型ボディーに最新の第12世代CoreプロセッサのHシリーズと、GeForce RTX 30 Laptopシリーズを搭載するゲーミングノートPCだ。薄型ながら比較的高いスペックを誇っていることが魅力である。7月20日現在(以下同)の最小構成の税込み直販価格は22万6784円となっている。
今回、GeForce RTX 3060 Laptopを搭載する上位構成をレビューする機会を得た。「薄くて強いゲーミングノートPC」の実力をチェックしてみよう。
今回レビューしたのは、先述の通りGeForce RTX 3060 Laptopを搭載する上位構成の「16GBメモリ×512GB SSD」という仕様で、カスタマイズ前の税込み直販価格は25万1084円となる。主な仕様は以下の通りだ。
なお、さらにスペックの高い「32GBメモリ×1TB SSD構成」の税込み直販価格は28万3484円からとなっている。
CPUは、Core i7-12700Hを搭載している。開発コード名「Alder Lake」で知られる第12世代Coreプロセッサのモバイル向け製品の中でも、比較的上位に来るモデルだ。「ゲーミングならアンロック(オーバークロック)!」という人もいるかもしれないが、モデル名からも分かる通り、Core i7-12700Hはアンロックに対応しない。
アンロックに対応するとなると、さらなる冷却対策が必要となる。そうなると、より大きなファンやヒートスプレッダーを搭載するために本体の厚みを増さざるを得ない。「薄型化」と「パフォーマンス」のバランスをできる限り最適化した結果が、Core i7-12700Hの採用につながったのだろうと思う。
なお、Core i7-12700Hには内蔵GPUとして「Intel Iris Xe Graphics」(実行ユニット96基)を搭載している。バッテリー駆動時は、グラフィックスの描画にこちらを使うことで駆動時間を延ばせるはずだ。
外部(独立)GPUとして搭載されているGeForce RTX 3060 Laptopは、最新の「Ampereアーキテクチャ」のコアを採用している。グラフィックスの処理に使われるCUDAコアは3840基で、最上位モデルである「GeForce RTX 3080 Ti Laptop」の7424基には及ばないが、フルHD解像度でAAAタイトルをプレイするのであれば十分な性能を持つ。
なお、GeForce RTX 3060 Laptop GPUのブースト(最大)クロックは公称値で1283MHz〜1703MHzの範囲で調整できるが、「GPU-Z」の結果を見る限り、Alienware x14では最小値の1282MHzに設定されている。CPUと同様に、薄型化とパフォーマンスのバランスを最適化した結果だと思われる。
レビューした個体では、SSDにキオクシア製の「KXG70ZNV512G」が使われていた。キオクシアがPCメーカーなどに出荷しているPCI Express 4.0 x4接続に対応するSSD「XG7シリーズ」の512GBモデル……のはずなのだが、メーカーのWebサイトにはXG7シリーズの製品情報が記載されていないため、公称スペックについては調べようがない。
そこで「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってパフォーマンスを調べてみた所、シーケンシャル(連続)の読み出しが毎秒6458.49MB、書き込みが毎秒3687.81MBとPCI Express 4.0接続のメリットを引き出すスピードだった。
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