デル・テクノロジーズの「Alienware x17 R2」は、2022年1月に登場した17.3型ゲーミングノートPCだ。その名の通りAlienware x17の第2世代製品に相当し、最新の第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)のHシリーズとGeForce RTX 30 Laptopシリーズを搭載する製品だ。
Alienware x17 R2にはさまざまな構成のモデルが用意されているが、最上位に相当する「Alienware x17 R2 スプレマシー(Supremacy)」は、CPUがCore i9-12900HK、外部GPUがGeForce RTX 3080 Ti Laptopと現行のゲーミングノートPCとしては“最高峰”のスペックを備えている。それだけに、5月31日現在の直販価格は20%オフクーポンを適用しても51万1984円(税/送料込み、以下同)からと値も張る。
この記事では、“最高峰”の実力がいかほどのものか検証しつつ、システムユーティリティーの使い勝手と効果も試してみる。
実力を検証していく前に、Alienware x17 R2 スプレマシーの主な仕様をチェックしていこう。直販では一部構成をカスタマイズ(CTO)できるようになっているが、標準(最小)構成は以下の通りとなっている。
今回レビューする個体は、SSDが1TBに増量され(9680円増し)、ディスプレイはフルHDで最大360Hz駆動のもの(1万2320円増し)に変更されている。5月31日現在の直販価格は、20%オフクーポン適用で53万3984円となる。
CPUのCore i9-12900HKは、第12世代CoreプロセッサのHシリーズの最上位モデルである。同プロセッサの特徴でもある処理能力優先の「パフォーマンスコア(Pコア)」と省電力性を重視した「効率コア(Eコア)」を組み合わせた構成を取っている。Pコアは6基12スレッド構成で最大5GHz、Eコアは8基8スレッド構成で最大3.8GHzで稼働するようになっている。両コアを合わせると「14コア20スレッド」ということになる。
Core i9-12900HKの消費電力は最小35W、標準45W、最大115Wとなっている。CPUに掛かる負荷やシステムの発熱状況によって最大クロックを自動的に引き上げる「Intel Turbo Boost Max Technology 3.0(TBT 3.0)」にも対応する。Intelによると、前世代のCore i9-11980HK(8コア16スレッド、最大5GHz)と比べると、CPU部分の処理能力は最大28%向上しているという。
GPUのGeForce RTX 3080 Ti Laptopは、5月31日現在におけるGeForce RTX 30 Laptopシリーズの最上位モデルとなる。最新の「Ampereアーキテクチャ」のコアを採用し、CUDAコアを7424基搭載している(GeForce RTX 3080 Laptopで6144基、GeForce RTX 3070 Laptopで5120基)。グラフィックスメモリは16GB(GDDR6規格)を備える。
一方、公称動作クロックは1125MHz〜1590MHzと、GeForce RTX 3080 Laptop(1245MHz〜1710MHz)よりも低くなっている。ちなみにレビュー機で「GPU-Z 2.43.0」を使ってGPUの情報を確認した所、GPU Clock(定格クロック)が1080MHz、Boost(ブーストクロック)が1455MHzという設定になっていた。
最新鋭かつ最上位級のゲーミングノートPCだけあって、本体に搭載するインタフェースも最新かつ多彩だ。そして、その多種多様なインタフェースのほとんどは背面に配置されている。備えるインタフェースは以下の通りだ。
Thunderbolt 4端子とUSB 3.1 Type-C端子はDisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応している。有線LANコントローラーは、ゲーミングPC向けの「Intel Killer Ethernet E3100 2.5Gbps」を採用する。
移動利用が前提のノートPCは接続したケーブルや周辺デバイスの抜き差しが多くなるので、アクセスしやすく場所が視認しやすい側面にインタフェースを搭載する例が多い。ただ、そうすると左右両脇にコネクターやデバイス本体分の空きスペースも必要になる。インタフェースを背面に集約することで、左右両脇のデッドスペースを削減できるというわけである。ただし、インタフェースを背面に回すと、場所を直接目視で確認できず、手も届きにくい。ケーブルなどの抜き差しは少し面倒だ。
ゲーミングノートPCは、そのサイズと重さから外に持ち出すことは少なく、いったん置いたらそこから動かなくなる可能性も高いので、設置スペースを節約できる背面集中配置のメリットがより大きいだろう。
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