ノートPC用CPU最強? 「MSI Raider GE76 12U」でCore i9-12900HKの実力をチェック!(1/4 ページ)

» 2022年05月10日 12時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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 Intelの最新CPU「第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)」を搭載するPCが次第に増えてきた。この世代は、処理性能を重視した「パフォーマンスコア(Pコア)」と処理効率を重視した「効率コア(Eコア)」を併載するハイブリッド構成としたことが最大の特徴だ(デスクトップ向けの一部製品を除く)。

 ハイエンドデスクトップPCでの利用を想定した「Core i9-12900K」と「Core i5-12600K」のレビューは、ITmedia PC USERでも既に実施済みだ。

 一方で、モバイル(ノートPC)向けの第12世代Coreプロセッサの“実力”はまだ試していない。そこでMSIのゲーミングノートPC「MSI Raider GE76 12U」を使って、モバイル向けの最上位となる「Core i9-12900HK」の“実力”をチェックしていこうと思う。

MSI Raider GE76 12U MSI Raider GE76 12U(米国仕様:日本仕様は日本語キーボードを搭載している)

CPU以外もモンスター級スペックな「MSI Raider GE76 12U」

 今回のレビューで用いるRaider GE76 12Uは、米国仕様をベースに米Intelがレビュー用にカスタマイズしたものだ。主なスペックは以下の通りとなる。

  • CPU:Core i9-12900HK
    • パフォーマンスコア(Pコア):6コア12スレッド(2.5GHz〜5GHz)
    • 効率コア(Eコア):8コア8スレッド(1.8GHz〜3.8GHz)
    • L3キャッシュ:24MB(内蔵GPUと共用)
  • 内蔵GPU:Intel Iris Xe Graphics(実行ユニット96基)
  • 外部GPU:NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti Laptop
  • メインメモリ:16GB SO-DIMM×2(DDR5-4800規格)
  • ストレージ:2TB SSD×2(PCI Express 4.0接続)
  • ディスプレイ:17.3型液晶
    • 最大解像度:フルHD(1920×1080ピクセル)液晶
    • リフレッシュレート:最大360Hz
    • 応答速度(Grey-to-Grey):最短3ミリ秒
  • OS:Windows 11 Pro
  • バッテリー容量:99.9Wh
  • ACアダプター:330W

 カスタマイズといっても、SSDの構成やOSを変更したこと以外は市販モデルと変わりない。とはいえ、CPUと外部GPUは現時点で“最高スペック”であり、液晶パネルも最大360Hz駆動というハイエンド仕様となっている。

 Raider GE76 12Uには日本向けモデルも用意されている。しかし、今回レビューするモデルにある「フルHD液晶搭載」「デュアルSSD」構成は投入されていない(※1)。Web通販サイトで購入できるモデルのうち、スペック的に一番近い構成は「GE76-12UHS-322JP」というモデルで、5月10日時点における税込み実売価格は50万円弱となる。

(※1)米国でも同一容量(仕様)のSSDを2基搭載する構成はない(1TB+512GBという組み合わせ)

背面 Raider GE76 12Uのボディーは落ち着いた色合いの「チタニウムブルー」で塗装されている。パームレストのLEDライトを消灯すれば、ビジネス用途にも使えそうである
キーボード回り レビュー機は米国仕様がベースとなるため、キーボードも米国英語(US)配列となっている。キーボードとパームレストの手前にはLEDによるRGBライトが仕込まれている

 ポート類は左側面にUSB 3.0 Type-A端子、USB 3.1 Type-C端子、イヤフォン/マイクコンボ端子を、右側面にUSB 3.1 Type-A端子×2とSDメモリーカードスロットを、背面にMini DisplayPort出力端子、Thunderbolt 4(USB4)端子、有線LAN(2.5GBASE-T)端子、HDMI出力端子と電源入力端子を備える。無線通信はWi-Fi 6E(※2)とBluetooth 5.2に対応する。

(※2)6GHz帯にも対応するIEEE 802.11ax規格の無線LAN。日本では法整備が未完のため、2.4GHz帯と5GHz帯のIEEE 802.11axとして利用可能

 SDメモリーカードスロットを備えているので、撮影した写真や動画を取り込みやすい。Thunderbolt 4端子を使えば、Thunderbolt 3/4接続の超高速SSDもつなげる。ハイエンドゲーマーだけでなく、写真や動画を扱うクリエイターにも最適なモデルとなっている。

 USB 3.1 Type-C端子とThunderbolt 4端子は、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応している。一方で、USB PD(Power Delivery)による電源入力には対応していない。付属するACアダプターが最大320W出力であることからも分かる通り、今回レビューする構成はパワフルである。それゆえに、USB PDの最新リビジョンでも電源供給能力が不足するので、致し方ない所だろう。

左側面 左側面
右側面 右側面
背面 背面。HDMI出力端子の右側にある長方形の端子が電源入力である
電源 電源は最大320W出力のものが付属する。CPUも外部GPUもパワフルなので当然といえば当然かもしれない
底面 底面は蜂の巣状のパターンが刻まれている
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