Intelの最新CPU「第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)」を搭載するPCが次第に増えてきた。この世代は、処理性能を重視した「パフォーマンスコア(Pコア)」と処理効率を重視した「効率コア(Eコア)」を併載するハイブリッド構成としたことが最大の特徴だ(デスクトップ向けの一部製品を除く)。
ハイエンドデスクトップPCでの利用を想定した「Core i9-12900K」と「Core i5-12600K」のレビューは、ITmedia PC USERでも既に実施済みだ。
一方で、モバイル(ノートPC)向けの第12世代Coreプロセッサの“実力”はまだ試していない。そこでMSIのゲーミングノートPC「MSI Raider GE76 12U」を使って、モバイル向けの最上位となる「Core i9-12900HK」の“実力”をチェックしていこうと思う。
今回のレビューで用いるRaider GE76 12Uは、米国仕様をベースに米Intelがレビュー用にカスタマイズしたものだ。主なスペックは以下の通りとなる。
カスタマイズといっても、SSDの構成やOSを変更したこと以外は市販モデルと変わりない。とはいえ、CPUと外部GPUは現時点で“最高スペック”であり、液晶パネルも最大360Hz駆動というハイエンド仕様となっている。
Raider GE76 12Uには日本向けモデルも用意されている。しかし、今回レビューするモデルにある「フルHD液晶搭載」「デュアルSSD」構成は投入されていない(※1)。Web通販サイトで購入できるモデルのうち、スペック的に一番近い構成は「GE76-12UHS-322JP」というモデルで、5月10日時点における税込み実売価格は50万円弱となる。
(※1)米国でも同一容量(仕様)のSSDを2基搭載する構成はない(1TB+512GBという組み合わせ)
ポート類は左側面にUSB 3.0 Type-A端子、USB 3.1 Type-C端子、イヤフォン/マイクコンボ端子を、右側面にUSB 3.1 Type-A端子×2とSDメモリーカードスロットを、背面にMini DisplayPort出力端子、Thunderbolt 4(USB4)端子、有線LAN(2.5GBASE-T)端子、HDMI出力端子と電源入力端子を備える。無線通信はWi-Fi 6E(※2)とBluetooth 5.2に対応する。
(※2)6GHz帯にも対応するIEEE 802.11ax規格の無線LAN。日本では法整備が未完のため、2.4GHz帯と5GHz帯のIEEE 802.11axとして利用可能
SDメモリーカードスロットを備えているので、撮影した写真や動画を取り込みやすい。Thunderbolt 4端子を使えば、Thunderbolt 3/4接続の超高速SSDもつなげる。ハイエンドゲーマーだけでなく、写真や動画を扱うクリエイターにも最適なモデルとなっている。
USB 3.1 Type-C端子とThunderbolt 4端子は、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応している。一方で、USB PD(Power Delivery)による電源入力には対応していない。付属するACアダプターが最大320W出力であることからも分かる通り、今回レビューする構成はパワフルである。それゆえに、USB PDの最新リビジョンでも電源供給能力が不足するので、致し方ない所だろう。
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