今回レビューしているRaider GE76 12Uは、PCI Express 4.0接続の1TB SSDを2枚搭載している。RAIDの構成にも対応しているが、それぞれが独立したドライブとしてマウントされていた。
SSDはSamsung Electronics(サムスン電子)製の「Samsung PM9A1」の2TBモデル(MZVL22T0HBLB-00B00)を搭載している。2021年9月にレビューした第11世代Coreプロセッサモデルでは、このSSDの1TBモデルが搭載されていたが、容量以外の基本スペックに変わりはない。
このSSDのパフォーマンスを「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってチェックしてみた所、以下の通りの結果となった。
第11世代Coreプロセッサモデルに搭載されていた1TBモデルと同様に、Samsungの公称値を微妙に下回る速度だが、十分過ぎるほどの速度が出ている。これよりさらに速いとされるPCI Express 5.0接続のSSDが登場したら、一体どうなってしまうのだろうか……?
Raider GE76 12Uには、99.9Whのバッテリーが内蔵されている。モバイルノートPCと比べるとかなりの大容量だが、アンロック対応CPU、ハイエンドな外部GPUに高リフレッシュレートの液晶ディスプレイを搭載しているため、バッテリー駆動時間はかなり厳しそうである。
そこで、PCMark 10のバッテリーベンチマーク機能を使い、「Modern Office」シナリオで連続稼働時間をチェックしてみた。画面輝度を最大にしたこと以外は、特に設定は変えていない。
結果は、満充電(残量100%)から残量2%まで5時間13分となった。第11世代Coreプロセッサモデルと大きな差はなく、「出先で3Dグラフィックスのデモンストレーションをする」「短時間の動画の編集とエンコードをする」程度であれば外出先でも利用できそうだ。
ここまで、Raider GE76 12Uを通してCore i9-12900HKの実力をチェックしてきた。
PコアとEコアのハイブリッド構成となったCore i9-12900HKでは、先代のCore i9-11980HKと比べるとPコア(相当のコア)が2基減った。しかし、その減少分をEコアがしっかりと補い、きちんと総合的な性能を引き上げている。Pコア1基当たりの演算性能も高まっている。
懸念材料は、CPU部分と内蔵GPUの“アンバランスさ”だが、このクラスのCPUであれば強力な外部GPUの搭載が前提となりそうなので、そこまで気にする必要はないかもしれない。それでも、Core i9-11980HKから内蔵GPUは強化されているので、外部GPUがない(使わない)場合の快適性は改善されている。
Core i9-11980HKは、1コア当たりの性能が重要なゲーミングとコアの多さが重要なクリエイティブ用途の両方において最強かつ最適なCPUの1つとなっている。「ハイエンドなPCが欲しいけれど、スペース(あるいは持ち運び)の都合でデスクトップタイプは難しい」という人は、Core i9-12900HKを搭載するノートPCを検討してみてはどうだろうか。
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