ここからは、ベンチマークテストを通してCore i9-12900HKの実力をチェックしていく……のだが、その際に本機種の“ある機能”の影響で性能を引き出し切れないというトラブルがあった。その模様も含めてテストの結果をお伝えしていこう。
まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」でCPU単体のパフォーマンスをチェックする。
Core i9-12900HKは、異なる特性を持つCPUコアを併載した「ハイブリッドコア」構成となっている。具体的には、従来のCoreプロセッサの系譜を受け継ぐ6基12スレッドのPコアと、省電力性に優れるAtomプロセッサの系譜の延長線上にある8基8スレッドのEコアを備える。
CINEBENCH R23のテストでは、PコアとEコアの両方を“全力で”使う。特にマルチコアのスコアは、従来のモバイル(ノートPC)向けCPUよりもかなり高くなるはず……なのだが、最初に計測した際の結果は以下の通りとなった。
シングルコアのスコアは、さすが「HK」を冠するCPUだけある……のだが、思ったよりも少し低い。マルチコアのスコアは、想定よりもかなり低い。さすがにCore i7-11980HKとマルチコアスコアが“劣る”のは様子がおかしい。
そこでいろいろと設定をチェックしてみた所、Raider GE76 12Uにプリインストールされているユーティリティーアプリ「MSI Center」が自動的にパフォーマンスを最適化(≒抑制)していることが分かった。このアプリの電源設定を「Extreme Performance」にして“全力”を出せるようにしてから改めて計測した結果、以下のようなスコアとなった。
マルチコアスコアが1万5000ポイント超、シングルコアスコアが1800ポイント超――消費電力を度外視すれば、モバイル向けCPUでここまでパワフルなものが登場するとは、本当に隔世の感がある。
最近のMSI製ゲーミングノートPCでCPUやGPUをフルに使うアプリを使った際に「思ったよりパフォーマンスが出ない」と感じる場合は、MSI Centerの設定を見直してみると良いだろう。ちなみに、筆者はこのことに気が付くまでに2時間ほどかかってしまった。
CINEBENCH R23のプリセットスコアとの比較。マルチコアスコア(左)では2017年夏リリースのハイエンドデスクトップ向けCPU「Ryzen Threadripper 1950X」に迫るスコアを記録している気を取り直して、PCの総合ベンチマークテストアプリ「PCMark 10」で普段使いの性能をチェックしてみよう。結果は以下の通りだ。
昨今のハイエンドノートPCにふさわしい高いスコアを記録した。このモデルの場合、外部GPUの効果もあってProductivityやDigital Content Creationのスコアは大きな伸びを見せている。
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