ここからは、GE76 Raider 11Uのベンチマークテストを通して、Core i9-11980HKの実力をチェックしていく。今回は“素の実力”を確かめるために、電源設定を「高パフォーマンス」にしたこと以外は設定を変更せずにテストを実施している。
まず、CPUの処理能力をMaxthonの「CINEBENCH」でチェックした。CINEBENCHは「R23」が最新バージョンだが、1つ前のバージョンである「R20」のテストも実施している。
結果は以下の通りとなった(スコアは前者がマルチスレッド、後者がシングルスレッド)
参考に、過去に実施した「Core i7-1185G7」(1.2GHz〜4.8GHz、4コア8スレッド)を搭載するリファレンスマシンにおけるR20のテストスコアは以下の通りである。
R20のスコアを見比べるとCore i9-11980HKのシングルスレッド性能は、Core i7-1185G7比で有意に向上している。これは11980HKのシングルコアの最大稼働クロックが5GHzに引き上げられたことが奏功したものと思われる。
一方で、マルチスレッドスコアも約2.25倍に向上している。コアとスレッドの数が2倍になったことに加え、マルチコアの最大稼働クロックも引き上げられた効果が出ているのだろう。
続いて、PCの総合性能をULの「PCMark 10」で確認しよう。今回は外部電源をつないだ状態で「PCMark 10 Extended」(通常テスト+ゲーミングテスト)を実施している。なお、GPUの選択はOSによる自動選択(負荷に応じて内蔵GPUと外部GPUを切り替える設定)としている
スコアは以下の通りとなった。
一方、Core i7-1185G7のリファレンスマシンでの高パフォーマンス時のスコアは以下の通りである。
外部GPUのパワフルさも手伝って、Gamingのスコアが高いことに目が行きがちだが、Digital Content Creation(デジタルコンテンツの作成能力テスト)のスコアが高いことに注目すべきだろう。
Digital Content Creationでは、GPUとCPUのパフォーマンスがスコアに大きく影響する。CPUと外部GPU双方のパフォーマンスが、高スコアにつながったものと思われる。
参考までに、Core i9-11980HKでGPU処理を内蔵GPUに固定した際の、Gamingを除く個別テストのスコアも掲載する。
Essentialsのポイントを除くと、GPU自動選択時よりスコアを落としてしまっている。それでも、Core i7-1185G7よりも良好な結果を残している。コンテンツ作成や動画配信でノートPCを使う場合は、Core i9-11980HKのパワフルさが役立ちそうだ。外部GPUがあれば、ゲーミングも快適そうである。ただ、これら以外の用途をメインとする場合は、Core i9-11980HKでは「宝の持ち腐れ」になってしまう可能性も否定できない。
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