今回レビューしているGE76 Raider 11Uは、現行においてモバイル向けGPUとしては最高性能を誇るGeForce RTX 3080 Laptopを搭載している。「どのくらいのグラフィックスパフォーマンスがあるの?」と気になる人もいるだろう。
そこで、ULの3Dグラフィックスベンチマークアプリ「3DMark」でパフォーマンスをチェックしてみよう。実行したテストは、DirectX 11を利用する「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」、DirectX 12を利用する「Time Spy」「Time Spy Extreme」と、リアルタイムレイトレーシング(RT)をチェックする「Port Royal」である。「Extreme」の付くテストはWQHD(2560×1440ピクセル)、「Ultra」の付くテストは4K(3840×2160ピクセル)、それ以外はフルHD(1920×1080ピクセル)での描画となる。
結果は以下の通りだ。
いずれも、現行のノートPCとしては最強クラスといえるだろう。最高のCPUと最高のGPUの組み合わせは、ゲーミングやコンテンツ作成を強力にバックアップしてくれそうだ。
……と書いたところで、「Core i9-11980HKの内蔵GPUのパフォーマンスはどうなの?」という人もいるだろう。Core i9-11980HKが内蔵するUHD Graphicsは、Intelとしては最新のXe-LPアーキテクチャに基づくGPUを内蔵している。ただし、演算性能を左右する演算ユニット(EU)が32基と、Core i7-1185G7比で3分の1しか備えない。
参考に、Time SpyをCore i9-11980HKのUHD Graphicsで実行したスコアと、Core i7-1185G7のリファレンスマシンでのスコアを掲載する。
EUの基数が3分の1しかないことを考えると、ある程度健闘しているともいえるが、バリバリのハイエンドゲームはとてもできる状況にない。Core i7-1185G7なら「軽い3Dゲームならスムーズに楽しめそう」となるが、Core i9-11980HK単体では「とっても……キツいです」といった印象だ。
もっとも、Core i9-11980HKを搭載するノートPCは、ほぼ全てが外部GPUを搭載している。内蔵GPUの性能を気にするシーンはめったにないだろう。
今回のテストでは、実際のゲームをベースとする「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver. 1.3(FF15ベンチマーク)」も実行してみた。全てフルスクリーンで高品質、GPUは自動選択(GeForce RTX 3080 Laptop)という条件で実行している。結果は以下の通りだ。
さすがに4Kは高品質だとやや厳しめだが、それ以外の解像度では高画質でもそこそこプレイを楽しめそうである。
参考に、強制的にUHD Graphicsを利用して、フルHDの高品質、標準品質、軽品質のテストを一通り回した結果も掲載する。
特にゲーミング用途では、内蔵GPUはあてにしない方が良さそうである。ただし、UHD Graphicsには機械学習を高速化する機能が備わっている。Xe-LPアーキテクチャに最適化された画像/動画編集ソフトでは、UHD Graphicsに処理を優先させると一定の高速化が期待できる。
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