パフォーマンス優先のゲーミングノートPCらしく、Alienware x17 R2には4基のファンを組み込んだ強力なクーラーユニットを内蔵している。CPU、GPUとヒートジャケットの間に塗布する“グリス”には、ガリウムシリコン液体金属「エレメント31」を採用している。
ユーティリティーアプリ「Alienware Command Center」を使うと、CPUやGPUの動作クロック、駆動電圧、電圧のオフセット値をカスタマイズできる。カスタマイズは任意の値を指定してテスト動作をした上で決定でき、決定した設定をプロファイルとして保存可能だ。プリセットのプロファイルとして「OverClock1」「OverClock2」も用意されている。
同様に、クーラーファンの回転速度もカスタマイズできる。CPU、GPUそれぞれに2基ずつ用意されたファンを個別に設定でき、「自動管理モード」と「オフセットモード」を切り替えられる他、温度と回転数の関係をグラフで指定することも可能だ。こちらも事前にプリセットされた「サーマルコントロール」プロファイルが用意されており、「静音」「バッテリーセーバー」「バランス」「パフォーマンス」「最高速度」を切り替えて使える。
今回は、サーマルプロファイルを「バランス」にした上で、オーバークロックプロファイルを「なし」「OverClock1」「OverClock2」に切り替えた場合と、オーバークロックプロファイルを「OverClock1」にした上でサーマルプロファイルを「静音」「バランス」「パフォーマンス」「最高速」と切り替えたそれぞれにおける発生音圧と「3DMark Time Spy Extreme」のスコアをチェックしてみよう。結果は以下の通りだ。
オーバークロックプロファイルの切り替えでは、OverClock1にすると有意なスコアの上昇を確認できたが、OverClock2にすると「なし」の場合よりもスコアが低くなってしまった。念のためにプロファイルのCPU設定、GPU設定を確認したが、CPU駆動電圧とそのオフセット設定、GPUのコアクロックとメモリクロック設定はどちらもOverclock2の方が高めに設定されている。
オーバークロックプロファイル以上にスコアの変化に影響したのが、サーマルプロファイルの切り替えだった。いずれのプロファイルでもスコアの値は大きく変わり、パフォーマンスを優先するほどに発生音圧も大きくなっている。最高速では常時“爆音”となるが、パフォーマンスでは処理負荷に合わせて発生音圧は可変する。
「何が何でも処理速度を優先したい!」というユーザーは、オーバークロックプロファイルを「Overclock1」とした上で、サーマルプロファイルを「最高速」にしておくと幸せになれそうである。
Alienware Command Centerでは、本体に組み込んだLEDの点灯パターンも設定できる。Alienware x17 R2の場合は、天板のAlienwareエンブレム、背面インタフェースエリアの“枠”、電源ボタンとキーボードのLEDの光り方を個別に設定可能だ。
キーボードではゲームプレイで多用する主要なキーグループ(WASDにQWER、数字にファンクション)ごとにまとめて設定できるメニューも用意されている。
Alienware x17 R2は、「高性能なのに薄型なゲーミングノートPC」と紹介されることが多い。確かに本体の厚さは約20.9mmとゲーミングPCとしては薄いのだが、本体の重さは約3kgである上、17.3型ディスプレイを搭載できるほどのフットプリントなので、世間一般にイメージされる「薄型ノートPC」のような取り回しの手軽さはない。
しかし、現時点においてノートPC向けに用意されている最上位のCPUと最上位の外部GPUを搭載している上、Alienware Command Centerを使うことで細かいオーバークロック設定を行えるため、最強のゲーミングノートPCの1つであることは間違いない。
「ゲーミングノートPCで優先するのはパワー!」という人は、ぜひAlienware x17 R2をチェックしてみてほしい。
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