続いて、Alienware x14の外観を見ていこう。約14.5mmの薄型ボディーを見ると、どうしても「これは本当にゲーミングノートPCなの?」という印象を持つ。具体的な寸法は約321.5(幅)×262.77(奥行き)×14.5(厚さ)mmと、幅や奥行きも比較的抑えられており、「ゲーミングノートPCはデカくて分厚い」という印象を打ち砕いてくれる。
ただし、このボディーに強力な排熱処理能力を備えたせいか、システムに負荷の掛かるシーンだけでなく、ゲームのように大容量のまとまったデータをダウンロードする際にもファンがかなり勢いよく回る。もっとも、負荷が低くなるとすぐにファンの回転数は下がるので、効率良く冷却できているのだろうと思われる。その証拠として、膝に置いて使ってもそれほど不快感を感じない。
なお、本体の重量は約1.841kgとゲーミングノートPCとしては軽量だが、一般的な14型ノートPCと比べると“ズッシリ”としている。毎日持ち運ぶような使い方をするには厳しいかもしれないが、いざという時にはバッグに入れて持ち出すことはできる。
ディスプレイはフルHD(1920×1080ピクセル)の14型液晶を搭載している。最近、ビジネス向けモデルを中心にアスペクト比16:10(あるいは3:2)の液晶を搭載するノートPCが増えているが、このモデルは16:9のままである。パネルの表示面は非光沢なので、ゲームプレイの邪魔になる映り込みもない。
このディスプレイはリフレッシュレートが最大144Hz、応答速度が3ミリ秒というスペックも持つ。一般的なノートPCよりも高性能ではあるが、ゲーミングというカテゴリーで考えるとエントリークラスのスペックともいえる。ハードウェアベースのブルーライトカット機能である「ComfortView Plus」、表示同期技術「NVIDIA G-SYNC」や、バッテリー残量やシステム負荷に応じてCPU内蔵GPUと外部GPUの描画を切り替える「Advanced Optimus」にも対応している。
ディスプレイの上部には720p(1280×720ピクセル)撮影と顔認証に対応するWebカメラとデュアレイマイクが搭載されている。顔認証を使えばセキュリティとログインの簡便さを両立しやすい。
キーボードはAlienwareシリーズ独自の「AlienFX キーボード」を搭載する。Nキーロールオーバーとアンチゴーストに対応しており、調整可能なLEDライトも備えている。直販サイトで購入する場合は、即納モデルを除き日本語配列と米国英語(US)配列のどちらかを選択できる。
キーピッチは実測で約19mm、キーストロークは約1.5mmで、テンキーはない。ディスプレイの中央寄りにホームポジションを定められるので、キーはとても打ちやすい。ただし、Enterキーの右側にもボリュームキーやマイクミュートキーが配置されているため、EnterキーやBackSpaceキーなどを押した際に「誤爆」してしまう可能性がある。少し、慣れが必要そうだ。
ボディーカラーは、「Lunar Light(ルナライト:月の光)」と呼ばれるシルバーホワイトとなっている。風合いは乳白色といった感じだが、天板の中央にはAlienwareのシンボルマークが配置されており、これが光るのがワンポイントのアクセントとなっている。
なお天板のAlienwareマークとキーボードのライティングは、プリインストールされているユーティリティーアプリ「Alienware Command Center」にある「FX」から変更できる。Alienwareマークとキーボードは、独立して設定が可能だ。
ポート類はUSB 3.2 Gen 2(USB 3.1) Type-C端子、ヘッドフォン/マイクコンボ端子、HDMI 2.1出力端子、USB 3.2 Gen 1(USB 3.0) Type-A端子、microSDメモリーカードリーダーはThunderbolt 4(USB4)端子を備えており、全て本体背面に集中している。
本体背面にポート類をまとめるのは、Alienwareの伝統のようなものである。USBメモリなどを抜き差ししようと思うと背面に手を回さなければいけないので面倒だが、デザイン面での割り切りなのかもしれない。有線LANポートは備えないが、USB Type-C接続の有線LANアダプター(1000BASE-T)が付属している。
USB 3.2 Gen 2 Type-C端子とThunderbolt 4端子は、電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。
ACアダプターはUSB Type-C接続で、出力は130Wとなっている。出力が控え目なせいか、ゲーミングノートPC用のACアダプターとしては比較的コンパクトとなっている。なお、本機はUSB PD(Power Delivery)に対応する電源も利用可能だが、フルパフォーマンスを発揮するには付属している電源が必要となる。また、USB PD対応電源は全てが使えるとは限らないので注意しよう。
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