ベンチマークテストの結果を掲載する。一部のテストでは、比較対象として、旧世代のPC(Core i5-8250U、SATA SSD搭載)、そして同社最新のクリエイター向けPC「DAIV 6N」のスコアも合わせて記載した。
1世代前のCPUなので特筆するところはないが、CINEBENCH R23のCPUスコアなどを見てもCPUのポテンシャルはしっかり発揮できている。高速ストレージを搭載していることもあって、モバイルPCとしては良いパフォーマンスのモデルといえる。
ただ、Intel Iris Xe Graphicsの3D描画性能については、メモリがDDR4-3200なのでLPDDR4X-4266など高速メモリを搭載したPCに比べると少し見劣りする。とはいえこのレベルで3D描画性能の優劣が使用感に直結する用途は限定的だろう。
DAIVシリーズの製品なので、あえてDAIV 6Nとも比較したが、さすがに最新世代の14コアCPUとミドルクラスの外部GPUを搭載するDAIV 6Nには遠く及ばない。とはいえ少ない枚数のRAW現像や簡易的な映像編集であれば十分できるので、そこは用途や目的との兼ね合いで判断したいところだ。
動作音については、アイドル状態ではほぼ無音だ。低〜中程度の負荷でもタイミングによってはファンの動作音が分かるようになり、高負荷時に大きな音になるが、一般的な水準だろう。プリインストール済みのユーティリティーでは「静音モード」も選べるので、静かな部屋で使う時は利用するとよいだろう。
具体的な測定値は、暗騒音34dBの室内で、本体正面5cmからの測定で、アイドル時は35dB前後、中負荷時40〜42dB、高負荷時は50〜51dBといったところだ。
一方、発熱については、薄型軽量ボディーの割によく抑えられている。サーモグラフィーを撮影するとキーボードの中央〜奥側に少し温度が高い部分もあるが、手がよく触れるパームレストの温度は低く保たれている。あえて意識してキーに長い時間指を置くようなことをしなければ、熱いとは感じない。
マウスコンピューターでの直販価格は税込み17万9800円(送料別)だが、8月17日10時59分までの「夏の感謝セール第2弾」の期間なら、1万円オフの同16万9800円で販売されている。
本製品はBTOでの基本スペックのカスタマイズは行えないが、ベースとなっているDAIV 4Pシリーズの他のモデルはメモリやストレージ、LTE通信機能の追加などといったカスタマイズに対応している。「Intel Evoプラットフォーム準拠」という看板にこだわらないのであれば、そちらも検討すると良いだろう。
約983gの薄型軽量で頑丈なボディーと良好なクオリティーの画面、豊富なインタフェースを備えており、CPUのポテンシャルもしっかりと引き出せている。実測でも長時間のバッテリー駆動が確認できており、アンダー1kgのモバイルPCとしての完成度は高い。
本格的なクリエイティブ製作用PCとしては物足りない部分はあるが、ライトなクリエイティブ用途はもちろん、ビジネス用途や学習用に高性能でレスポンスが良いモバイルPCが欲しい人には魅力的な製品だろう。
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