天空が10.1型ゲーミングPC「GPD WIN Max2(AMD)」を10月末から出荷 16万3400円から実機写真あり

» 2022年08月17日 11時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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 天空は8月17日、中国Shenzhen GPD Technology(GPD)製のポータブルゲーミングPC「GPD WIN Max2」のAMDモデルの予約販売をECサイト「GPD Direct」で開始した。税込み価格は16万3400円からで、早期予約者にはオリジナルケースを付属する。出荷は10月下旬から順次始まる予定となっている。

 なお、GPD WIN Max2は「Intelモデル」も登場する予定だったが、GPDによるとAMDモデルへの需要が非常に多かったことからキャンセルされたという。そのため、天空で取り扱うのもAMDモデルのみとなる。

【更新:8月23日21時10分】天空から製品価格の一部改訂とラインアップ追加の連絡があったため、初出時からタイトルと本文の一部を変更しました

GPD WIN Max2(AMDモデル) GPD WIN Max2(AMDモデル)の本体とパッケージ

GPD WIN Max2(AMDモデル)の概要

 GPD WIN Max2は、その名の通り「GPD WIN Max 2021」の後継モデルである。CPUの強化、ディスプレイの大型化/狭額縁化を進めることでゲームをプレイする際の快適性や没入感を高めた他、変則配列のないキーボードや使わない時にコントローラーを隠せる仕組みによって「コンパクトノートPC」としての使い勝手も改善したことが特徴だ。

先代と並ぶ 先代の「GPD WIN Max 2021」(左)と並べる。写真のように、GPD WIN Max2のゲームコントローラーは使わない時にロッカーカバー(隠し板)で隠せるようになっている。このカバーは磁石式で簡単に着脱できる上、本体に格納スペースも設けられている

 APU(GPU統合型CPU)は、Ryzen 7 6800U(2.7GHz〜4.7GHz、8コア16スレッド)で、メインメモリはLPDDR5規格の16GBまたは32GBを備える。

 GPUはAPUに統合された「Radeon 680M」で、フルHD(1920×1080ピクセル)描画のゲームであれば、ある程度は快適にこなせる。より高度な3Dグラフィックスを求める場合は、USB4端子を介して外付けGPUを装着することも可能だ(※1)。

(※1)理論上はThunderbolt 3に対応する外付けGPUボックスを装着だが、全ての外付けGPUが正常に動作するとは限らない

意外と快適 APUに統合された「Radeon 680M」は、最新のRDNA 2アーキテクチャを採用したGPUである。フルHD解像度かつ低〜中品質の画質にすれば、そこそこのフレームレートでゲームを楽しめる(画像内のフレームレートはGPDによる測定値)
持ってプレイ 実機でゲームをプレイする様子。思った以上にサクサクとプレイできている
フルスペックのUSB4端子を搭載することで、Thunderbolt 3に準拠する外付けGPUボックスを装着できるようになった。この動画はGPDがRazer製の外付けGPUボックス「Razer Core X」を介して、ASUSの「GeForce RTX3070-O8G-V2-GAMING」(GeForce RTX 3070)をテストする様子を収めたものだが、外付けGPUの動作を保証したものではないので注意しよう

 ストレージはPCI Express接続のSSD(※2)で、モデルによって1TBまたは2TBを標準搭載する、なお、SSD用のM.2スロットは2基搭載されており、本体底面からすぐアクセスできる「増設SSDスロット」にはType 2230(幅22mm×長さ30mm)のM.2 SSDを装着可能だ。なお、標準搭載されているSSDはType 2280(幅22mm×長さ80mm)である。

(※2)スロットの形状/レイアウトの都合で片面実装のSSDのみ利用可能(両面実装のSSDは非対応)

 また、GPD WIN Max2にはLTEモジュールを搭載することもできる。モジュールとアンテナのキットは単体で販売される他(GPD Directでの税込み直販価格は1万1000円)、装着済みの構成も用意される。SIMカードスロットは「Nano」サイズである。

 装着時は本体の裏ぶたを開ける必要があり若干面倒なので、使うことがあらかじめ分かっている場合は、装着済みモデルを購入した方が無難である。

LTE 「ユーザーの声に応えて」(GPD担当者)、GPD WIN Max2はLTEモジュールを搭載できるようになった。搭載されるモジュールは、日本国内において必要な認証を取得したものだという
裏面 本体の裏面にはnanoSIMカードスロットと2nd SSDスロットが用意されている。LTEモジュールを搭載する場合、あるいは初期搭載のSSDを換装する場合は、この裏面のカバーを外す必要がある
GPDでは、LTEモジュールとアンテナ、2nd SSDの搭載方法を紹介する動画も掲載している

 ディスプレイは10.1型IPS液晶で、最大解像度は2560×1600ピクセル(アスペクト比16:10)、最大輝度は400ニトとなっている。ただし、解像度は出荷状態では1920×1200ピクセルとなる。タッチ操作とペン入力(MPP 2.0準拠/筆圧最大4096段階)にも対応している。

 Webカメラは約200万画素のセンサーを備えており、最大で1612×1212ピクセルの映像を撮影できるようになっている。スピーカーは4基構成だ。

ディスプレイ ディスプレイは10.1型のIPS液晶で、最大解像度は2560×1200ピクセルとなる。ただし、初期状態では表示解像度が1920×1200ピクセルに設定されているので注意したい

 外部ポート類は、左側面にmicroSDメモリーカード(V30/A2クラス)とSDメモリーカードスロット(UHS-II対応)を、背面にイヤフォン/マイクコンボ端子、USB 3.0 Type-A端子、HDMI 2.1出力端子、USB4端子とUSB 3.1 Type-C端子を、右側面にUSB 3.0 Type-A端子×2を備えている。

 USB4端子のフルスペックとのことで、先述の通り外付けGPUボックスの装着にも対応している。USB4端子とUSB 3.1 Type-C端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応している。USB PDの電源入力は最大100Wまで可能で、付属のACアダプター(100W出力)を使うと20分で50%分の容量を充電できるという。なおバッテリーの容量は67Whだ。

 ワイヤレス通信は、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)とBluetooth 5.2に対応する。また、先述の通りオプションでLTEモジュールも搭載できる。

左側面 左側面にはmicroSDメモリーカードスロットとSDメモリーカードスロットを備えている。これはカメラで撮影した写真や動画をその場で取り込む用途を想定して搭載したようだ
背面 主立ったポート類は背面に搭載されている。背面右側には大きめの排熱口が設けられている
右側面 右側面

 「ポータブルゲーミングPC」を名乗るだけあり、GPD WIN Max2にはゲームコントローラーも搭載されている。具体的には、キーボードの上部左側にサムスティックと十字キー、上部右側にはサムスティックと「SELECT」「MENU」「START」ボタンと「A」「B」「X」「Y」ボタン、背面の左右にトリガーキー、そして裏面の左右にもトリガーキーが付いている。左側のサムスティックと十字キーは、スイッチの操作でマウスとして利用することも可能だ。

 キーボードはUS(米国英語)配列で、主要なキーは変則的な配列もなく搭載されている。タッチパッドはキーボード上部の左右コントローラーの間にある。本体の正面には指紋センサーを備えており、Windows Helloによるログイン(サインイン)に利用可能だ。

キーボード回り キーボードはUS配列で、省かれたキーはあるものの、主要なキーはしっかりと搭載している上、変則的な配置はない。先述の通り、ゲームコントローラーは使わない時にカバーをしておけるようになっている
指紋センサー 指紋センサーは本体正面の右寄りにある

 ボディーサイズは約227(幅)×160(奥行き)×23(厚さ)mmで、重量は約1005gとなっている。

軽いがズッシリ 公称の重量は約1005gだが、展示会に登場した実機は実測で1030gだった。数字で見ると軽いように思えるが、コンパクトなボディーにいろいろギュッと詰め込んでいることもあり「スカスカ」な感じは全くない

国内で扱う構成について

 天空が国内で販売するGPD WIN Max2のラインアップと、GPD Directにおける税込み価格は以下の通り。なお、いずれの構成も「WPS Office 2」のライセンスが標準で付帯する。

  • 16GBメモリ/1TB SSD:16万3400円(発表時:16万7400円)
  • 16GBメモリ/1TB SSD/LTEモジュール内蔵:17万7400円(発表時:18万1400円)
  • 32GBメモリ/1TB SSD:18万1900円(追加)
  • 32GBメモリ/1TB SSD/LTEモジュール内蔵:19万5900円(追加)
  • 32GBメモリ/2TB SSD:20万7000円(発表時:18万5900円)
  • 32GBメモリ/2TB SSD/LTEモジュール内蔵:22万1000円(発表時:19万9900円)

 先述の通り、LTEモジュールは1万1000円で単品販売も行われる。このモジュールはクラウドファンディングの購入分にも装着可能とのことだ。

国内構成 天空が国内で取り扱うGPD WIN Max2の構成(発表時)

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