大画面が復活! カメラとバッテリー性能が向上したiPhone 14/14 Plus でもお勧めは14 Pro?(1/2 ページ)

» 2022年10月06日 01時00分 公開
[林信行ITmedia]

 製品名に「Pro」が付かないiPhoneの“標準モデル”、「iPhone 14」と「iPhone 14 Plus」を手に入れた。早速、製品を使ってみてのレポートをお届けしたい。

iPhone 14 Plus Apple アップル iPhone 14ファミリー。左から6.1インチのiPhone 14とiPhone 14 Pro、6.7インチのiPhone 14 PlusとiPhone 14 Pro Max

新モデルの魅力はカメラとバッテリー性能の向上

 本題に入る前に、製品の特徴をおさらいしよう。

 6.1インチとなるiPhone 14の形状は、2021年モデルのiPhone 13とほぼ同じだ。背面にある2つのカメラレンズが斜めに配置されている点も継承する。

 ミッドナイト、スターライト、PRODUCT REDの3モデルであれば新旧製品を見分けるのは難しいだろう。iPhone 14ではブルーの色が淡い色になり、新色の淡い紫色「パーブル」が加わった。ピンクと人気のグリーンはなくなったが、AppleはiPhone 13シリーズの併売も続けているので、iPhoneをカラーバリエーションで選びたい人は、あえて13を選ぶという選択肢もある。

iPhone 14 Plus Apple アップル 全5色展開となるiPhone 14/ 14 Plus

 実はiPhone 14と13は形だけでなく、搭載プロセッサも同じでA15 Bionicチップとなっている。ただし、GPUコアと呼ばれるグラフィックスなどの高度な処理を行う機構が1つ多く5コアになっている(iPhone 13は4コア)。重さは1gほど軽くなっているのに、バッテリー動作時間は長くなっていて、動画再生時間はiPhone 13の約19時間に対して、iPhone 14で約20時間、大型のiPhone 14 Plusでは約26時間と、iPhone 14 Pro Maxに次いで長い。

 一番の変化の特徴はカメラにある。フロントカメラがオートフォーカスに対応し、メインカメラも明るいレンズ(F1.5、iPhone 13はF1.6)になっているが、さらに大きいのは後述するPhotonic Engineという画像処理エンジンが搭載されたことで、暗いところでの写真がより美しく鮮明になる。

iPhone 14 Plus Apple アップル メインカメラのレンズが明るくなったiPhone 14/14 Plus

 ビデオ機能も進化しており、映画のようなボカシを効かせた映像が撮れる「シネマティックモード」で4K解像度の動画が撮れるようになった(iPhone 13は1080pというハイビジョン画質でしか撮れなかった)。

 さらに大きいのは「アクションモード」だろう。スポーツなどをしながらでも手ブレを感じさせないスムーズな撮影が行える機能で、アクションカメラやジンバルと呼ばれる手振れ軽減装置を不要にするとの定評がある(ただし、両機能は、ある程度の明るさがないと使えない)。

iPhone 14 Plus Apple アップル パープルのiPhone 14 Plus(左)と、ブルーのiPhone 14 (右)

 気になるのは価格だが、最小となる128GBのiPhone 14で11万9800円、iPhone 14 Plusは13万4800円(いずれも税込み、以下同様)となる。円安の影響もあり10万円を少しオーバーしたが、日本の市場を意識してか、かなり頑張った価格設定でそれだけにお得感が増している。

 日本にいるとなかなか分からないが、今、米国ではほとんどの物価が高騰しており、観光地のホテルに泊まれば朝食代だけでも40〜50ドルかかるのが珍しくない。そこに円安が重なるため、日本円で換算すると、チップ代込みで朝食だけでも8000円を超えることもままある。そのような中で、Appleはそうした米国外、特に日本市場を気遣った価格設定を行い、日本は世界でも最も安くiPhoneが買える国になっている。

 それでも予算をオーバーしてしまっているという人向けに、Appleは2021年モデルのiPhone 13や2年前のiPhone 12の提供も続けている。画面サイズの小さなiPhone 13 mini(128GB)かiPhone 12(64GB)であれば、9万2800円という10万円を切る価格で購入できるモデルも用意されている。

より多くの情報/より大きな表示がほしい人に朗報! Plusが復活!

 今回、製品としての機能のアップグレード以上に大きいのが、6.7インチの大型ディスプレイと26時間動作の大容量バッテリーを搭載したPlusモデルの追加だ。

 ここ数年間、大画面モデルはProシリーズにしか用意されず、標準シリーズには5.4インチのminiという小さいモデルが用意されていた。しかしAppleは、小型iPhoneの需要は4.7インチのiPhone SEで満たせると判断したのだろうか、iPhone 14では、miniモデルをなくし、代わりに大画面のPlusモデルを復活させた。

 本体サイズはiPhone 14 Pro Maxとほぼ同じで、価格は標準サイズのモデルより1万5000円高い13万4800円からとなる。

 画面が大きいということは本体も大きく、手が小さい人は片手で持てないかもしれないが、その分、写真や動画コンテンツをより大きく表示して楽しめる。

 ニュースやソーシャルメディアなどの文字情報も、同じ文字サイズであれば1画面により多くの情報を表示できる。逆に文字を読みやすい大きなサイズに変更して、従来通りの情報量を楽しむことも可能だ。

iPhone 14 Plus Apple アップル 6.1インチのiPhone 14(左)と、6.7インチのiPhone 14 Plus(右)の比較。文字を大きくしても、ほぼ同じ量の情報を見ることができる
iPhone 14 Plus Apple アップル 同じ文字サイズにした場合、iPhone 14(左)の2ツイートしか表示できないのに対して、iPhone 14 Plus(右)は3ツイートといった具合により多くの情報を表示できる(何ツイート表示できるかは設定やツイート内容により異なる)

 これまで標準サイズのiPhoneを使ってきた人には、最初こそ少し慣れが必要だが、画面を下にずらして表示する機能や、キーボードを画面の右側または左側に寄せて表示する機能もあるので、これらの機能に慣れてくれば不自由なく使うことができるだろう。

 何より、ゆとりのあるバッテリー動作時間と見やすい大画面に一度慣れてしまうと、小さいiPhoneでは物足りなさを感じる。そんな魅力を備えている。

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