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「フェイク画像」「無断アップロード」撲滅なるか? ニコンが「来歴記録カメラ」を試作:Adobe MAX 2022

» 2022年10月19日 20時00分 公開
[井上翔,ITmedia]

 Adobeとニコンは10月19日、撮影した写真データに出所や来歴などの情報を付加することで真正性確認をしやすくする「来歴記録機能」をデジタルカメラに実装する取り組みを発表した。Adobeが10月18日(米国太平洋夏時間)から実施しているイベント「Adobe MAX 2022」のリアル会場では、この機能を試験実装した「Nikon Z 9」が展示されている。

 アドビ(Adobeの日本法人)が10月19日に開催したイベント「Adobe MAX 2022 Japan」のリアル会場でも、来歴記録機能を試験実装したNikon Z 9が展示されていたので、この記事で紹介する。

試験ファームウェア 来歴記録に対応する試験ファームウェアが書き込まれた「Nikon Z 9」。見た目は市販機と全く変わらない

来歴記録機能の概要

 写真(静止画)や動画がデジタルデータとなり、これらを編集するアプリが高機能化したこともあり、最近は「フェイク画像」「フェイク動画」といった真実でない映像がネットの世界を駆け巡ることもある。また、他人が撮影した写真や動画を“自分のもの”であるかのように勝手に転載(アップロード)してしまうという事象も相次いでいる。

 このような事象への対策として、Adobeでは「Adobe Creative Cloud」においてコンテンツの出所や来歴を確認できる仕組みの導入を進めている。また、同社が主導して「Content Authenticity Initiative(CAI:コンテンツ認証イニシアティブ)」という任意団体も設立している。

 今回の参考展示はニコンとCAIとの協働に基づくもので、来歴記録に関する技術の標準化団体「Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)」が定めた標準仕様に沿って実装が行われている。

 来歴記録に対応したZ 9では、撮影した写真に対してExifデータ(※1)とは別に「署名者(来歴記録の真性を担保する主体)」「制作元(撮影者)」「制作ツール(撮影デバイス)」といった来歴記録が書き込まれる。来歴記録は「Adobe Photoshop」などC2PAに準拠する画像処理アプリや、CAIのオンラインサービス「Verify」で確認可能だ。

(※1)Exif(Exchangeable image file format):撮影に使ったカメラの情報などを記録するデータ様式。スマートフォンやタブレットを含むデジタルカメラや画像編集アプリで広く使われているが、来歴記録の真性を担保するためのデータは含まれていない

判定 来歴記録対応ファームウェアを搭載したNikon Z 9で写真を撮影し、Verifyで情報を確認した様子。きちんと来歴が記録されたことが分かる
加工 Photoshopで来歴記録付きの写真を編集した場合は、編集を行った制作者のデータが記録される
トレース 来歴記録は“トレース”にも対応する。来歴記録付きの写真を合成した場合、合成に使った写真の来歴(起源)を調べることも可能だ

 この展示で使われたZ 9のファームウェアはあくまでも“試験用”で、現時点では実際の製品に来歴記録機能を搭載(追加)する予定はないという。

 ただ、ニコンの担当者は「(来歴記録機能について)ユーザーの皆さんからぜひ意見をいただきたい。その内容によっては、製品への早期実装も考えたい」とも語っていた。本機能の実装を希望するカメラマンやクリエイターの皆さんは、ぜひ意見を寄せてみてほしい。

来歴 来歴記録機能はフェイクコンテンツや無断(違法)アップロードコンテンツの撲滅につながるか……?

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