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新シリーズ「Lets' note SR」はどんなノートPCなのか? 登場の背景と特徴に迫る(2/2 ページ)

» 2022年10月26日 07時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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Let's note SRシリーズはどんなノートPC?

上原菜月氏 SRシリーズのデザインを担当した上原菜月氏

 先述の通り、Let's note SRシリーズはLet's noteの新シリーズである。サイズ的には、コンパクト2in1「Let's note RZシリーズ」をほうふつとさせる面もあるが、クラムシェルタイプ(コンバーチブル機構を持たない)こともあってか、あくまでも“新しい”モデルという位置付けだ。

 そんなSRシリーズは「働き方を自由にするモバイル性」「働く人を輝かせる新デザイン」「安心して使える信頼性」をメインコンセプトに据えて開発されたという。

コンセプト Let's note SRシリーズのメインコンセプト

働き方を自由にするモバイル性

 Let's note SR(CF-SR3)シリーズのCPUは、第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)でCore i7モデルはPシリーズ(標準消費電力28W)、Core i5モデルがUシリーズ(標準消費電力15W)を搭載している。これにパナソニック コネクト独自の「Maxperformer」を組み合わせることで、ピーク性能をより長時間引き出せるようになっている。

 それでいて、ボディーサイズは約273.2(幅)×208.9(奥行き)×19.9(突起部除く厚さ)mm、重量は軽量バッテリー装着時で約884〜964g、標準バッテリー装着時でも約964〜1044gとコンパクトかつ軽量に仕上がっている(※1)。

(※1)量販店向けエントリーモデルは軽量バッテリー、他の量販店向けモデルと法人向けモデルは標準バッテリーが付属する(法人向けモデルは案件別対応で軽量バッテリーに変更可能)。個人向けのカスタマイズモデルは両方のバッテリーが1つずつ付属する

 ディスプレイは12.4型液晶で、解像度は1920×1280ピクセル(アスペクト比3:2)となっている。ビジネスシーンにおけるベストなバランスを追求した結果、このサイズと解像度に落ち着いたようだ。カスタマイズモデルではタッチ操作対応構成も選べる。

 SRシリーズは横方向の画面ベゼル(額縁)が約5.6mmと狭くなった。ベゼル自体がブラックになったことと合わせて、画面への没入感も高まっている。Webカメラは顔認証とフルHD撮影に対応するものを搭載している。

 バッテリー駆動時間(※2)は標準バッテリー搭載時で最長約16時間、軽量バッテリー搭載時で約9.5時間となる。

(※2)JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.2.0)による計測値

パワフルさを支える パワフルになったCPU(特にCore i7-1260P/1270P)を搭載するために、ファンは薄型かつ面積の広い新型を採用した。このファンはヒートパイプの手前側にあえて穴を開けていることが特徴だが、これはボディーを冷やすために意図的に開けたのだという
バッテリー バッテリーパックは着脱式。なお、本体側に内蔵バッテリーはないため、電源を入れたまま交換したい場合は電源をつないでおく必要がある

働く人を輝かせる新デザイン

 冒頭で述べた通り、Let's note SRシリーズではボディーに「カームグレイ」という新色を採用した。Let's noteといえば「シルバー」を思い浮かべる人もいると思うが、デザイナーの上原菜月氏によると「新しい働く環境(≒さまざまな場所)になじむことを大切にした」結果、グレイ(灰色)を基調とする新しいカラーリングを採用するに至ったようだ。キーボードや円形タッチパッドも黒基調となっている。

 加えて、Let's noteのアイデンティティーでもある「ボンネット天板」にも改良がある。従来は天板のアンテナ部分が“あからさまな”別パーツとなっていたが、SRシリーズでは一体成形を行うことで部品の分け目がなくなった。ボンネットの厚みもより抑えられており、かなりスッキリとした印象を受ける。

天板 ボンネット天板のボンネットはより薄くなったが、強度はしっかりと維持している
一体成形 従来は別パーツで構成していたアンテナ周辺部を天板との一体成形とした。アンテナ部分は従来通り樹脂素材だが、一体成形のおかげで表面からは「連なった天板」として見えるようになった
カスタマイズモデル 個人向けのカスタマイズモデルでは、従来モデルと同様に天板とホイールパッドのカラー変更に対応する。カラーは「フォリッジグリーン」「ブリックレッド」「ディープネイビー」から選べるが、ボディーを含む3要素のいずれかにジェットブラックを含めると、他の要素でカームグレイを選択できなくなるので注意したい
キーボード キーボード回りを見ると、一見従来のLet's noteと変わりないリーフキーに見えるが、右端にあるBackSpaceキーとEnterキーの印字が「右寄せ」になっている。わずかな変更だが、見た目はよりスッキリした印象を受ける

 Let's noteといえば、レガシーポートも含むたくさんのポート類を備えることが特徴だ。その点はSRシリーズでも引き継いでいる。左側面には電源端子、HDMI出力端子、Thunderbolt 4(USB4)端子、USB 3.0 Type-A端子と有線LAN(1000BASE-T)端子を、右側面にはアナログRGB(D-Sub)出力端子、USB 3.0 Type-A端子×2とSDメモリーカードリーダーを、正面にイヤフォン/マイクコンボ端子を備えている。Thunderbolt 4端子はUSB PD(Power Delivery)規格の電源入力と、DisplayPort規格の映像出力にも対応する。

 有線LAN端子はともかく、「アナログRGB端子ってまだ必要なの? HDMI端子があればいいのでは?」と思う人もいるだろう。筆者もそう思って担当者に聞いてみた所、Let's noteシリーズのメインターゲットである「外回りの営業担当者」からの根強いニーズを受けて搭載を継続したという。アナログRGB入力しかないプロジェクターが“まだまだ”現役で稼働している場所が意外と多いようだ。

 ワイヤレス通信はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)とBluetooth 5.1に対応する。また、個人向けの量販店モデルの一部とカスタマイズモデルはLTE/3G対応のモバイル通信モジュールも搭載する(※3)。モバイル通信を搭載した場合、バッテリーを外した所にnanoSIMスロットが搭載される他、モジュール自身にも「eSIM」を備えている。nanoSIMとeSIMを別の通信事業者のものにしておけば、シーンに応じた「つなぎ分け」も可能だ。

(※3)法人向けモデルの場合は「案件別対応(カスタマイズ)」を申し込めば搭載可能

左側面 左側面と正面左側。イヤフォン/マイクコンボ端子をあえて正面に持ってきたのは、ユーザーから「イヤフォンやイヤフォンマイク(ヘッドセット)を簡単に着脱できるようにしてほしい」という要望があったからという
右側面 右側面にはアナログRGB端子の姿も見える。アナログRGB端子のみを備えるプロジェクターは意外と残っており、変換アダプターなしでつなげることへのニーズも根強いのだという
一部モデル 個人向けの量販店モデルの一部とカスタマイズモデルは、LTE/3G対応のモバイル通信モジュールを搭載している。nanoSIMはバッテリーを外してから着脱することになる

安心して使える信頼性

 信頼性の面では、ボンネット天板における最大100kgfの荷重耐性を引き続き維持している。バッテリー交換できる設計も、わざわざクーリエ/センドバック(工場や修理拠点への送り返し)や訪問修理サービスを使わず対応できるという意味で「信頼性」につながっている。

ボンネットの歴史 丈夫さもLet's noteの伝統である。より薄くなったボンネット天板でも、100kgfの耐荷重性能を維持している

「Goodwill Ambassador認定試験」開催中!

 Let's noteのカスタマイズモデル「カスタマイズレッツノート」は、2022年で発売から20周年を迎える。それを記念して、直販サイトでは11月29日まで「Goodwill Ambassador認定試験」を開催している。

 この試験は全20問構成で、16問以上正解すると「Goodwill Ambassador」に任命される。任命者のうち先着200人には「記念ピンバッジ」も進呈される。また、受験者のうち条件(※4)を満たす220人には直販ストアで利用できる「CLUB Panasonicコイン」200円分がプレゼントされる。

 なお、受検にはパナソニックの「Club Panasonic ID」への登録が必要となる。詳細は、特設サイトで確認してほしい。


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