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パナソニック コネクトになって「Let's note」は変わる? 変わらない? シン・ウルトラマンとの関係も聞いた(1/3 ページ)

» 2022年08月25日 12時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]
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 2022年4月1日、パナソニック コネクティッドソリューションズ社がパナソニック コネクトに生まれ変わった。これは、パナソニックが持ち株会社「パナソニックホールディングス」を新設し、グループ体制を一新ことを受けたもので、パナソニック コネクトの代表取締役 執行役員 社長に樋口泰行氏が就任した。

 モバイルPC「Let's note」や「TOUGHBOOK」シリーズ、Androidタブレットや決済端末を扱うモバイルソリューションズ事業部も新会社に継承されている。

パナソニック コネクト 神戸工場 Let's note タフブック パナソニック グループの新体制(パナソニック コネクトの会社概要ページより)
パナソニック コネクト 神戸工場 Let's note タフブック パナソニック コネクトの主な組織体制(パナソニック コネクトの会社概要ページより)。Let's noteシリーズは「モバイルソリューションズ事業部」で扱われる

 新体制の発足から4カ月が経過し、社内にどのような変化があったのか、この間の取り組みなどについて、パナソニック コネクト 執行役員 副社長 モバイルソリューションズ事業部長 坂元寛明氏と、Let's noteを生産している神戸工場の工場長である矢吹精一氏にお話を伺った。

パナソニック コネクト 神戸工場 Let's note タフブック パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 オペレーションセンター所長(兼)神戸工場長 矢吹精一氏(左)と、同社 執行役員 副社長 モバイルソリューションズ事業部長 坂元寛明氏(右)

※本インタビューは撮影時を除き、マスクをした上で適切な距離を保って行いました。

ハイブリッドワークへの最適化を図った「Let's note FV」シリーズ

 今回、インタビュー会場となった兵庫県神戸市の西神工業団地内にある神戸工場は、主にLet's noteや決済端末などを手がけている。モバイルソリューションズ事業部が抱えるTOUGHBOOKの台湾工場と2つの製造拠点の中で、神戸工場は開発/生産/販売/サービスの拠点を集約した“マザー工場”として機能している。

 この8月には、実に3年ぶりにPC組み立て教室兼見学会の「手づくりレッツノート工房」が開催され、「Let's note FV1」(CF-FV1)の組み立てイベントが行われた。

―― 社名変更から4カ月がたちました。この間の変化を教えてください。

坂元氏 この4月に、パナソニック コネクティッドソリューションズ社からパナソニック コネクトに名称を変更したわけですが、この社名についても社内でかんかんがくがくの議論がありました。その中から、企業としての存在意義を「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」とし、従来から続く明るい社風を継続しつつ、多種多様な人が互いの考え方の違いや個性を受け入れながら、ともに成長するといった部分を大事にしています。

 社名変更以降も、そのような基本的なことをますます重視しています。特に日本の企業では遅れがちで当社も同様ですが、女性の方が生き生きと働けるような環境作りを先陣を切って続けるなど、どなたが見ても素晴らしい会社だなと言っていただけるような組織を目指しています。

―― 会社の方向性はいかがでしょうか。

坂元氏  大きな部分では、2021年9月に完全子会社化した「Blue Yonder」(ブルーヨンダー)が今後の方向性を示す出来事です。サプライチェーン・マネジメントソリューションに強みがあるBlue Yonderと、一方でIoTやエッジデバイスといったハードウェアの既存事業もある中で、社長の樋口が示している方向性は2つあります。

 それはコア事業と成長事業で、前者はPCを含めた今ある4つの事業を継続してしっかりと収益を上げていくことが目標です。もう1つの成長事業は、Blue Yonderと一体化して「オートノマス(自律的な)サプライチェーン」の実現を加速し、社会課題や経営課題解決に貢献していきます。この2つを明確に打ち出してきているのが今現在で、全ての従業員が手応えを感じつつあるのではと思っています。

パナソニック コネクト 神戸工場 Let's note タフブック 2020年に買収した「Blue Yonder」(買収完了は2021年9月)

―― 働き方改革〜DX〜ハイブリッドワークとIT関連のトレンドは変遷していますが、その中で長時間駆動、頑丈といった「Let's note」の価値はますます向上しているように感じます。

坂元氏 2020年に新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)となり、当時はやはり不安でした。確かにPC関連の特需はありましたが主に個人用途で、Let's noteが強い法人用途では予算の執行が一時止まるといった動きもままありました。

 一方で、リモートワーク/テレワークが急速に一般化しMicrosoft TeamsやZoomを使ったビデオ会議も広まりました。その中で、PCの価値が改めて見直され、まともなPCでないとビデオ会議すらままならず、仕事にならないということが明らかになりました。

 そういった中で、私たちもそれぞれの仕事環境に合わせたLet's noteを、どのように表現すべきかといったことを議論しました。フレキシブルワークなのか、リモートワークなのかと話し合いを重ねる中で、米Microsoftのサティア・ナデラCEOが「ハイブリッドワーク」と表現しているのを耳にし、「これだ!」となりました。

 ただ、日本語でよく使われる2つの組み合わせを指す「ハイブリッド」とは意味が違うんですよ。実際は、異なるものの掛け合わせや組み合わせであり、仕事をハイブリッドワークにおきかえると、どこに居てもまるで1つの空間で仕事ができるようになることであり、MicrosoftもOSやアプリを進化させました。

 では、Let's noteを使って、会社にいても自宅にいても、新幹線でも仕事やビデオ会議がスムーズに行えないかと考えて形になって生まれたのが、今ちょうど、手づくりレッツノート工房でお子さまたちに組み立てていただいている「Let's note FV」シリーズなのです。

パナソニック コネクト 神戸工場 Let's note タフブック 手づくりレッツノート工房で参加者が作った「Let's note FV1」。14型でアスペクト比3:2の縦長画面を採用する

坂元氏 このFVシリーズは、従来のLet's noteが10〜13型クラスの小型ディスプレイを採用していたのに対し、14型と大画面を使っています。画面を大きくすると重量が重くなるし、液晶パネルが割れやすくなるので最初はできるかどうか分からないけど、ハイブリッドワークでは大きな画面が必要だと考えました。

 そこで狭額縁化を進めてカバンに入れやすいサイズで、重量は1kgを切ろうと目標を定めました。技術的には難しい部分もありましたが、何とかクリアして仕上がった自信作です。

 思い切って採用した、14型でアスペクト比3:2(2160×1440ピクセル)の縦が長い画面はユーザーの皆さまにも好評です。


 Let's noteならではの頑丈で長時間駆動というこれまでのアドバンテージを維持しつつ、ハイブリッドワークで求められる高い性能(Maxperformer)や広い画面を備えたLet's note FVシリーズ。

 さらには、顔位置自動補正や明るさ補正、AIノイズ除去機能を装備して映像も音声もクリアに届けてビデオ会議を快適に行える環境も備えており、実際にFVシリーズの売上比率は50%を超える程の人気とのことだ。

 変わらないようで実は変わっている、長く人気を集めるシリーズならではのこだわりを伺える話だ。

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