「Windows 10」や「Windows 11」の大型(機能)アップデートは、比較的新しいデバイス(PC)から順次配信されるスタイルを取っている。しかし、配信対象のデバイスが拡大されても、大きな問題を及ぼす「既知の問題(Known Issue)」が発生した場合、「セーフガードホールド」という仕組みによって配信対象から“除外”される場合がある。
この記事では、2022年11月8日現在において「Windows 11 2022 Update(バージョン22H2)」に設定されているセーフガードホールドをまとめる。
セーフガードホールドが設定されている場合でも、インストールメディアを使ったアップグレードインストールは可能です。ただし、Microsoftではセーフガードホールドが設定されている間のアップグレードインストールを推奨していません。
Windows 10/11にプリインストールされている「Xbox Game Bar」だが、Windows 11 2022 Updateにおいてビデオキャプチャー(録画)時に動画と音声が同期しないことがある不具合が発生した。この問題は、Xbox Game Barと同じAPIを使って画面録画機能を提供するアプリでも発生する可能性がある。
そのため現在、Microsoftはこの録画機能を使ったことがあるデバイスを対象にセーフガードホールドを適用している。「なぜか適用できないんだよね……」というデバイスは、Xbox ゲームバー(または同一APIを利用する録画アプリ)を使った事がある可能性がある。
なお、この問題は10月25日(米国太平洋時間)に配信されたプレビュー版の更新プログラムを適用することで解消する。この更新プログラムの内容は11月分の月例更新プログラムにも反映されるため、本件に関するセーフガードホールドは11月中旬をめどに解除される見通しだ。
Windows 11が稼働するデバイスで「IPP クラスドライバー」または「Universal Printクラスドライバー」で稼働するプリンタを利用すると、プリンタ固有の拡張機能が利用できないことがある問題が発生している。具体的には、プリンタをつながずにWindows 11 2022 Updateに更新した場合、更新後に拡張機能が使えない(≒「規定の設定」でしか利用できない)状態になったり、場合によっては再度つないだプリンタを復元できない場合がある。
そのため現在、Microsoftではこの問題の発生する可能性のあるプリンタをつないだことのあるデバイスのうち、当該プリンタを“つないでいない”ものに対してセーフガードホールドを適用している。プリンタをつないだ状態でアップデートを行うか、プリンタドライバーに関するトラブルシューティングを実行すると、セーフガードホールドを解除できる可能性がある。
なお、この問題も10月25日(米国太平洋時間)に配信されたプレビュー版の更新プログラムを適用することで解消する。この更新プログラムの内容は11月分の月例更新プログラムにも反映されるため、本件に関するセーフガードホールドは11月中旬をめどに解除される見通しだ。
これは2021年11月から継続している問題だが、第11世代Coreプロセッサを搭載するデバイスのうち、サウンドの再生に「Intel Smart Sound Technology(Intel SST)」を使っているものにおいて、SSTのデバイスドライバーのバージョンが以下のいずれかの場合にセーフガードホールドが適用される。
セーフガードホールドを解除するには、Intel SSTドライバーを問題のないバージョンにアップデートすればよい。なお、このドライバーは原則としてデバイスメーカーを介して配信される。問題のあるバージョンを利用している場合は、メーカーに問い合わせて最新のドライバーに更新するようにしたい。
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