目まぐるしく変わっている世の中で、いや応なしに会社も変化を求められている。働く場所を問わないハイブリッドワークを定着させる上で、課題の1つとして従業員とのエンゲージメント(関係性)をどう保っていくかという点が挙げられる。
多様性のある場所で、高い生産性を保ち続けるということは思っている以上に難しい。上司や他の従業員と交流するチャンスが減ってしまうため、職場へのロイヤリティー(忠誠心)も低下しやすくなる。上司との「1on1(面談)」や会議はオンラインで済むため、オフィスの在り方も問い直さなければならない。事業環境が目まぐるしく変化する中で、自発的な「学びの場」を確保するのも課題である。
日本マイクロソフトでは、これらの課題を自社ソリューションを活用することである程度解決しているという。
先ほどの出社率を見れば分かる通り、日本マイクロソフトのハイブリッドワークは、どちらというと在宅勤務を“主”とする傾向にある。そんな中でも、やはり「出会う場所」としてのオフィスは非常に重要だと考えているという。6月に完成した品川本社のリニューアルでは、当初の計画を一部変更し、従業員が来て楽しめるオフィス、従業員同士がコラボレーションしやすいオフィス作りを行った(詳細は別の記事で確認してほしい)。部署によっては、同僚がリアルで顔を合わせる機会を作るために「オフサイトミーティング(懇親会)」も行っているという。
長く勤務している従業員にとって、オフサイトミーティングは「久しぶりに同僚や上司に出会う場所」として機能する。しかし、特にコロナ禍が始まった後に入社した従業員にとっては、この場で“いきなり”顔合わせをすることになるため、面をくらってしまうこともあることは否定できない。
そこで、同社では自社のノーコード/ローコードプログラミングツール「Power Apps」を使って、従業員のプロフィールを確認できる社内Webアプリ「Buddy Hub」を作成した。Buddy Hubでは、社内の従業員のプロフィールを顔写真と共に確認できるようになっている。これから会うメンバーのことを軽く「予習」しておけば、顔合わせの際に生じる緊張感も幾分緩むかもしれない。
学び直しという観点では、企業向けコミュニケーションサービス「Microsoft Viva」を活用しているという。
VivaはSNS機能に注目が集まりがちだが、ビジネスに必要な学習を援助する「Vivaラーニング」というハブ機能も装備されている。VivaラーニングはMicrosoftやサードパーティーが提供する学習コンテンツをまとめられるようになっている。大きな手間を掛けずに、従業員のスキルアップ機会を提供できる点で便利である。
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