Pixel WatchのOSは、Google最新のスマートウォッチ向けOS「Wear OS 3.5」だ。Wear OS 3.5は、それ以前のWear OSから画面や操作感に変化が加わっているので、従来のWear OSデバイスを使ってきた人は少し違和感を覚えるかもしれない(以下の例は、あくまでもPixel Watchのものとして見てほしい)。
具体的な例を挙げると、画面を上から下にスワイプすると「クイック設定」が表示されるのは従来と同じだが、Pixel Watchの場合は表示項目がかなり増えている。フラッシュライトや画面の明るさ調整、「Google Pay」の表示などもここから行える。
また、これまでは画面を左か右にスワイプすると「Googleアシスタント」の画面が表示されていたが、Pixel Watchでは各種アプリのタイルが表示されるようになっている。Googleアシスタントは、サイドボタンの長押しで起動可能だ。
Pixel Watchで大きく変わったのは、デザインや操作性だけではない。スマートフォンにインストールする「コンパニオンアプリ」にも違いがある。
従来のWear OSデバイスでは、メーカーを問わずGoogleが提供する「Wear OSアプリ」をコンパニオンアプリとして利用してきた。それに対して、Pixel Watchでは独自の「Google Pixel Watch」アプリを利用する。現時点において、このアプリにはiOS版は存在しないためiPhoneには非対応となっている。ペアにするスマホはAndroidスマホでなくてはならない。
もう1つ、Pixel Watchには従来のWear OSデバイスと異なるポイントがある。フィットネスデータの扱いだ。
従来のWear OSでは、基本的にフィットネスデータを「Google Fit」で扱っているが、Pixel Watchでは「Fitbit」で扱うことが基本となる。ある意味で、Pixel Watchは「Wear OSで稼働する新しいFitbitデバイス」ともみなせる。
なお、Pixel WatchでGoogle Fitが使えないというわけではなく、別途アプリをインストールすればGoogle Fitも利用可能だ。ただし、心拍のリアルタイム計測など一部の機能はGoogle Fitでは利用できないようである。
Pixel WatchのFitbit機能に関してだが、有料の「Fitbit Premium会員」になったとしても、既存のFitbitデバイス、例えば最新の「Fitbit Sense 2」と同等の機能が使えるかというとそうでもなく、機能はかなり制限されている。
特に、ウォーキングやランニングを開始した際にそれを認識してアクティビティとして記録してくれる「運動の自動認識」に対応していないのは残念だ。この機能では運動をやめると記録も自動停止してもくれるのだが、これがないゆえに、運動開始時に手動で記録の開始操作を行い、終了時にはやはり手動で停止操作を行わなければならない。運動の開始時はまだしも、運動後に止めるの忘れてしまい、その日の運動時間がおかしなことになってしまった……ということがしばしばあった。ぜひとも、運動の自動認識には対応して欲しかった。
また、Pixel Watchには皮膚温度の計測センサーも用意されていない。最近は搭載デバイスも増えてきているので、ここも残念といえる。
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