Pixel Watchは、「Google Pay」にも対応している。対応カード会社のクレジットカード/デビットカード/プリペイドカードによるタッチ決済(EMVコンタクトレス)の他、日本向けモデルではJR東日本(東日本旅客鉄道)の「Suica」も利用できる。
現時点において、Suicaを利用できるWear OSデバイスはPixel Watchのみだ。
Pixel WatchにおけるGoogle Payの使い方だが、カード未登録の状態でGoogle Payを起動しようと画面をタップすると、スマホ側で操作を促される。指示に従ってスマホを開くと、決済カードの登録画面が表示される。
ここにはGoogle Payに登録されているカードがあらかじめ表示されるが、「新しいカードを追加する」を選択することでSuicaも新規登録できる。画面の指示に従えば新しいカードの登録は完了だ。特につまずくことはないだろう。
なお、Pixel Watch側に登録されるSuicaは、スマホ(おサイフケータイ)で利用しているのとは別のもので、チャージ金額も別々の管理となる。残高を共有できるわけではないので注意しよう。
Pixel Watchで利用するSuicaは、モバイルSuica定期券やSuicaグリーン券、おトクなきっぷ(企画乗車券)の発行に対応しない。また、Suicaオートチャージの設定も行えず、Google Payに登録しているクレジットカード/デビットカード/プリペイドカードからのチャージ、または駅などにあるチャージ機やコンビニエンスストアのレジにおける現金チャージにのみ対応する。
モバイルSuica定期券はスマホを利用しつつ、コンビニや自販機でのちょっとした買い物の際にPixel Watchを利用する――といった使い方がベストだろう。
なお、Pixel WatchでSuicaを利用する場合はアプリを起動する必要はなく、そのままICカードリーダーに近づけるだけで決済可能だ。
試用期間は短かったものの、Pixel Watchの操作性は良好で、個人的にはかなりの好印象だ。当初は「通知や各種情報を見るには画面が小さいかも」と思っていたが、使ってみるとそんなこともなく、意外としっかりと文字も読むことができた。
一方で、気になる点もある。バッテリーの駆動時間だ。Pixel Watchは、公称値で最大24時間をうたう。しかし、今回のレビューでは画面の常時点灯を「オン」にして、満充電状態から23時に使い始めて、翌日の18時にはバッテリー残量が7%にまで減っていた。少なくとも常時点灯で使う場合はバッテリーが1日持たないと考えた方がよい。常時点灯をオンにした状態で、睡眠ログを取るために夜間身に着けていると、翌日の仕事から帰ってくる途中でバッテリー切れ……ということもありそうである。
常時点灯を無効にしたりディスプレイの輝度を下げたりすれば、バッテリーはもう少し持ちそうだが、「常時点灯は譲れない」という人は、朝起きたら出かけるまでの時間に充電、あるいはPC作業中は時計を外して充電、といった対策が求められる。
最近のWear OSデバイスは、悪くても丸1日以上はバッテリー駆動できるものが多くなってきた。Pixel Watchの場合、そのサイズゆえにバッテリー容量が少ない可能性がある。筆者は基本的に自宅で仕事をしているため、1日中スマートウォッチを身に着けるということはあまりなく、バッテリー駆動時間が短くても許容できる。
このバッテリー持ちが、世間でどう受け止められるか、少々気になるところだ。
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