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間もなくサポート終了となる旧Windowsたち そしてWindows 11導入通知がやってくるWindowsフロントライン

» 2022年12月01日 11時00分 公開

 2022年12月から1カ月半以内に、3つの旧バージョンのWindowsのサポートが終了する。

2023年1月10日にWindows 7 ESU/8.1のサポートが終了

 1つは「Windows 7」で、同OSの延長サポート自体は2020年1月14日に終了しているが、その後、有償扱いで主にボリュームライセンスの企業ユーザーを対象に「ESU(Extended Security Update)」の提供が開始され、約束だった“3回目”のアップデートサイクルである「ESU 3」の契約期間が終了する「2023年1月10日」をもってセキュリティアップデートの提供が行われなくなる。

Windows 7の製品ライフサイクル Windows 7の製品ライフサイクル

 実は同じ日に、「Windows 8.1」の延長サポートも終了する予定となっている。ユーザー数でいえば世界シェアで3%未満とWindows 7よりも低い水準だが、ESUなしでOSの延長サポートのみで一般ユーザーでも利用可能な最も古いWindows OSであり、古いPCとともに利用しているユーザーも日本国内にそれなりにいると予想している。

 下表を見て「あれ? Windows 8.1のサポート期間って10年より少し短くない?」と気付いた人がいるかもしれないが、もともとWindows 8.1は2012年10月にリリースされた「Windows 8」の「Service Pack」的に提供が行われたものであり、OSの10年サポートのカウント開始としては「Windows 8の発売日」が基準となっている。

Windows 8.1の製品ライフサイクル Windows 8.1の製品ライフサイクル

 OSのサポート終了だけなら「セキュリティアップデートがなくても、まだまだ使える」と考える人がいるかもしれないが、GoogleはChromeのWindows 7/8.1のサポートを2023年1月の時点で終了し、2月以降の提供を行わない旨を告知しており、以後はセキュリティアップデートが受け取れなくなる。

 当面はブラウザ自体も問題なく利用可能と思われるが、不具合や脆弱(ぜいじゃく)性そのものは修正されないため、遠からずページの表示に不具合を生じるなど(意図通りのレイアウトにならないなど)、できる作業が限られるようになるだろう。

 なお、MozillaはFirefoxのサポート継続については現状で特にコメントを出していない

Windows 10からWindows 11へ 一層の誘導施策が活発化

 サポートが間もなく終了するWindows OSの3つめは「Windows 10(21H1)」だ。「May 2021 Update」の名称で呼ばれる同バージョンだが、2022年12月13日でサポートが終了する。

 AdDuplexがWindowのバージョン別シェア情報の更新を止めてしまったため、現時点でのバージョン別の細かいシェア推移は不明なのだが、約半年前の時点での同バージョンのシェアは23.9%だ。だが過去の経緯から判断すると、本稿執筆時点では5%前後のシェアで推移しているのではないかと予想される。

Windows 10のバージョン別製品ライフサイクル Windows 10のバージョン別製品ライフサイクル

 このように3つのWindows OSのサポートが比較的近いタイミングで終了することになるが、Microsoftではこれらユーザーを積極的にWindows 11へと誘導する作戦を進めている可能性がある。Neowinが指摘しているが、米Microsoftのメイベル・ゴメス(Mabel Gomes)氏によるTech Communityへの投稿記事)の中で、下記のような記述がある。

To help keep devices protected and productive, Windows Update will automatically initiate a feature update for devices running Home and Pro (non-domain joined) editions of Windows 10, version 21H1 that are reaching end of servicing. This keeps devices supported and receiving monthly updates that are critical to security and ecosystem health. Remember that you and your users can choose a convenient time for devices to restart and complete the update while remaining productive.

We will automatically update devices nearing end of servicing to the latest version of Windows 10, but you can opt to upgrade eligible devices to Windows 11.

 Windows 10 HomeとPro(ドメイン未参加)のバージョン「21H1」のサポートが間もなく終了するが、それに合わせる形で最新Windows 10の“自動”配信を行いつつ、“適合する”デバイスについては「Windows 11への移行パスも提示する」という形で、これを機会にWindows 11への誘導を図るというものだ。

 もともとWindows 11への移行を促すメッセージは適時表示されているが、今後はより一層誘導施策が活発化してくるものと予想される。

 なお、StatCounterのデータによれば、2022年10月時点でのWindowsバージョン別におけるWindows 10のシェアは71.88%から71.26%と前月からほとんど変化しておらず、一方でWindows 11については13.61%から15.45%と上昇幅がやや大きい。

 代わりにWindows 7のシェアが減少しており、Windows 10より前のバージョンのOSを少しずつ吸収する形でシェアを拡大しているようだ。うわさレベルではあるが、広告とサブスクリプションをベースとした安価なWindows 11 PCソリューションを準備しているという話もあり、コロナ禍によるPC需要の先食いで新規PC販売が大きく落ち込む中で、Microsoftはいかに“モダン”な環境へ既存ユーザーを誘導できるか、施行錯誤は続いている。

Windowsのバージョン別OSシェア推移(出典:StatCounter) Windowsのバージョン別OSシェア推移(出典:StatCounter)

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