費用対効果に優れ、動画に強みあり――「Radeon RX 7900 XT」「Radeon RX 7900 XTX」は真に“強い”GPUなのか?:GeForce RTX 4080と比較(3/3 ページ)

» 2022年12月12日 23時00分 公開
[迎悟,ITmedia]
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クリエイター向けアプリでもテスト

 最近は、クリエイター向けのアプリでもGPUパワーを存分に使うものが多い。そこで、今回のテスト環境をそのまま使い、クリエイター向けアプリのパフォーマンスチェックもしてみよう。

 今回は時間の都合で動画の書き出しのテストのみを掲載する。

Adobe Premiere Pro(4K動画書き出し)

 続けて「Adobe Premierer Pro」を使って、4K動画のエンコードに要する時間を比較してみよう。今回は「GoPro HERO 10」を使って撮影した数本の4K動画を30分ほどにまとめて書き出すのに要した時間を比較した。結果は以下の通りだ。

  • Radeon RX 7900 XT:4分44秒
  • Radeon RX 7900 XTX:4分52秒
  • GeForce RTX 4080:7分36秒
  • Radeon RX 6800 XT:6分58秒

 念のため、このテストではGeForce RTX 4080のスコアも計測し直したが、時間に大きな差は見られなかった。つまりRadeon RX 7900 XT/7900 XTXの“圧勝”である。

 あまりにスピーディーだったので「本当に正しく書き出せているのだろうか……?」と疑ってかかってしまい、生成された動画ファイルを確認した、しかし、問題は全くなかった。RDNA 3アーキテクチャで強化されたメディアエンジンは効果てきめん、ということである。「動画に強いGPU」という看板に偽りはない。

 最近はアクションカムでも5Kや6Kと、4Kよりも高い解像度の撮影に対応するものが増えている。レンズ交換式カメラの一部モデルでは、8K(7680×4320ピクセル)撮影ができるものも出てきている。

 4K超の動画を編集したり書き出したりする際には、かなりのマシンパワーを要する。動画の編集や書き出しの高速化を視野にグラフィックスカードを選ぶ場合、Radeon RX 7900 XT/7900 XTXは間違いなく最有力候補の1つになる。

Adobe Premiere Proの結果(GeForce RTX 4080の値は再計測時の値)

コスパに優れたハイエンドGPU(特に動画用途)

 Radeon派にとっては待ちに待った新世代のGPU「Radeon RX 7900 XT」「Radeon RX 7900 XTX」だが、先代と比べると着実な性能アップが図られていることがよく分かった。

 先んじて登場したGeForce RTX 40シリーズの“強さ”を見た時に、筆者は「Radeon RX 7000シリーズは大丈夫なのか……?」と思った。しかし、その不安はある意味で杞憂(きゆう)だった。「費用対効果」という意味でのコストパフォーマンスは優秀で、GeForce RTX 4080よりも手頃な価格で近い性能を得られるという点、は高く評価すべきポイントである。とりわけ、動画の処理能力は高く、動画の配信や編集をする人にとっては最有力候補の1つとなることは間違いない。

 最新世代のPCパーツの多くは、先代よりも大きく値上がりする傾向にある。そんな中で、価格を抑えながらも性能向上と競合製品と競えるポテンシャルを備えていることは、良い意味で悩みが増えてしまう。

 ちなみに、Radeon RX 7900 XT/7900 XTXを搭載するグラフィックスカードは、GPU補助電源が「8ピン×2」と従来と同じ構成である。推奨電源容量はRadeon RX 7900 XTが750W、Radeon RX 7900 XTXが800Wと、先代の最上位製品(Radeon RX 6950 XT)よりも50W少なくて済む。今回テストした自作PCにおける消費電力は以下の通りだった(「ピーク時」は3DMarkのTime Spy Extreme実行時の最大電力)。

  • Radeon RX 7900 XT
    • アイドル時:81W
    • ピーク時:482W
  • Radeon RX 7900 XTX
    • アイドル時:81W
    • ピーク時:544W

 消費電力は少なめとはいえないが、ハイエンドGPUとしては思ったよりも大きくはない。消費電力当たりのパフォーマンスを追い求めたいという人にもお勧めできる。これまでハイエンドGPUを搭載していたPCでのリプレースであれば、ケースやエアフローについても大きな変更を伴わずに組み込めるはずだ。

 問題は、実際の販売価格である。想定販売価格に近い実売価格なら、Radeon RX 7900 XTとRadeon RX 7900 XTXは相当に“強い”商品になるだろう。しかし、そこから上振れ(あるいはGeForce RTX 40シリーズ搭載グラフィックスカードの値下げ)が発生してしまうと、優位性が薄れてしまう。

 PCの新調/アップグレードに際して最優先すべき事項がハッキリとしている人にとって、繰り返しだがRadeon RX 7900 XTとRadeon RX 7900 XTXは“要チェック”の製品である。

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