Intelは2月1日(米国太平洋時間)、同社が設計したグラフィックスカード「Arc A750 Limited Edition」の希望小売価格を289ドル(約3万7500円)から249ドル(約3万2300円)に引き下げることを発表した。日本における販売価格の変更については、特に言及されていない。
値下げと並行してグラフィックスドライバーの改善を進めることで、競合企業のGPUとの競争に挑もうとしている。
今回の値下げに合わせて、IntelはゲーミングGPU「Intel Arc Graphicsシリーズ」に関する現状を解説する説明会を実施した。
Arc Graphicsシリーズ用のグラフィックスドライバーは、初版(ビルド3490)のリリース後、8回に渡りアップデートを行ってきたという。ほぼ最新版のドライバー(ビルド4086)では、初版と比べるとDirectX 9ベースのゲームにおける平均フレームレートが大きく改善している。同社が調査したタイトルでは、平均で43%改善したという。
リリース時に「DirectX 11/12ベースのゲームと比べると、古い(DirectX 9ベースの)ゲームではパフォーマンスが出ない」という指摘があった。それを愚直に改善してきた結果といえるだろう。
一方、Arc Graphicsシリーズは「DirectX 12 Ultimate」に対応する最新のGPUでもある。それに相応しく最新ゲームタイトルにおけるパフォーマンス改善にも取り組んでいるという。
まず、Arc Graphicsシリーズへの最適化に対応するゲームタイトルは21まで増えた(参考リンク)。また、Arc Graphicsシリーズや「Intel Xe Graphics」などで利用できる超解像技術「Intel Xe Super Sampling(XeSS)」に対応するゲームタイトルも35を超え、2023年はさらに増える見通しだという。
肝心のパフォーマンスだが、Intelは“1ドル当たりのフレームレート”を持ち出してArc A750 Limited Editionと「GeForce RTX 3060(12GBモデル)」の比較を行っている。
最新ドライバーを使えば、古いゲームはもちろん、DirectX 11/12を用いるゲームでもおおむね良好なパフォーマンスを発揮できる。そのため、1ドル当たりのパフォーマンスでは、GeForce RTX 3060と比べて平均で52%優れているという。
ただし、これは“絶対的な性能差”を示したものではない。あくまでも「Arc A750は価格の割に性能が良い」という理解にとどめておくことをお勧めする。
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