「来年のことをいえば鬼が笑う」という“ことわざ”があるが、明日にもさらなるアップデートが行われるかもしれない、Microsoftの一連のOpenAIに絡む発表ラッシュを整理する前に、2024年に登場がうわさされている「Windows“12”」の話題について紹介してみたい。
MicrosoftがWindows 10を発表した際は、「Windows 10は最後のWindows」的な言説で以後もアップデートが継続して「10」の名称が継続していくかに思われたが、同社は2021年6月に突然「Windows 11」を発表し、それまでWindows 10のUI改良を主眼としたアップデートの名称と思われていた「Sun Valley」の開発コード名に相当するソフトウェアを、Windowsの“ナンバリング”タイトルへと昇格させた経緯がある。
そうした前例がある以上、もはやその続編にあたる「Windows 12」が登場といわれても何の疑問の余地も浮かばないのだが、その経緯と現状で分かっている範囲の情報をまとめておく。
Windows Insider Programが「Dev Channel」「Beta Channel」「Release Preview」の3つのチャネルで構成されていることは関係者の間では広く知られているが、それぞれの位置付けについては批判も含めて紆余(うよ)曲折あり、2023年3月初旬時点では下記のような区分けになっている。
Windows Insider Programの提供が開始された頃は、Dev Channelに該当するものが「最新のWindowsを試す」ための場所だったが、この役割は現在ではBeta Channelに移管されている。Dev Channelはあくまで将来的に導入される可能性のある要素を試すための実験場であり、ビルド番号も他の2つのチャネルの2万2000番台とは区別され、数字も2万5000番台と大きく“スキップ”している。
ところが3月6日(米国時間)に公式Blogで表明されたところによれば、新たに「Canary Channel」が追加され、従来までDev Channelが担っていた領域を引き継ぐことになった。
旧Dev ChannelユーザーはそのままCanary Channelへと移行することになり、Dev Channelでは新たに2万3000番台のビルド番号が割り当てられる。Beta Channelに近い位置付けになるが、Microsoft的には「Dev Channelの方がそれよりも幾分か新しい機能が先行して盛り込まれる」ということで区別しているようだ。
なお、Canary Channel(以前の名称は「Canary Ring」)は従来までMicrosoftの内部でしかアクセスできない特別な先行開発バージョンに相当するものだったが、今回の運用では名前こそ“Canary”なものの、完全に別物であり、あくまでDev Channelに相当する役割を与えただけのようだ。
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