有機ELパネル専業メーカー「JOLED」が民事再生手続き ジャパンディスプレイの支援で技術開発に専念へ

» 2023年03月28日 12時00分 公開
[井上翔,ITmedia]

 JOLED(ジェイオーレッド)は3月27日、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立てたことを発表した。本件に伴い、同社は製品の製造/販売事業から撤退するが、技術開発事業についてはジャパンディスプレイ(JDI)の支援のもとで再建を図る見通しだ。

JOLED JOLEDのWebサイト

 同社は、産業革新機構が2014年7月に設立した会社で、2015年1月にソニー(現ソニーグループ)とパナソニック(現パナソニックホールディングス)の有機ELディスプレイの研究/開発事業を継承した。本継承に当たり、両社とJDIも同社に出資を行っている(※1)。

 発足後、同社は有機ELディスプレイの研究/開発を進める一方で、2019年11月には世界初となる印刷方式有機ELディスプレイの量産ラインを立ち上げるなど(※2)、製品の製造/販売にも注力するようになった。

(※1)現在はJDIとの資本関係はない
(※2)実際の量産は2021年3月から実施している

能美事業所 印刷方式による有機ELディスプレイの量産ラインが世界で初めて設置されたJOLEDの能美事業所(石川県能美市)

 しかし、有機ELディスプレイの生産において想定以上の時間やコストを要したこと、世界的な半導体不足の影響を受けたこと、競争環境の変化などにより、収益の伸び悩みと資金流出が発生。法的手続きによらない経営再建を模索したものの、それが困難であると判断し、裁判所が関与する民事再生手続きを選択したという。

 先述の通り、同社の技術開発部門は過去の出資元であるJDIがスポンサーとなって経営再建を行う予定となっている。今後、JDIはJOLEDに対するデューディリジェンス(資産や事業の精査)を実施した上で支援を正式決定することにしている。

撤退 JOLEDは能美事業所や千葉事業所(千葉県茂原市)において10〜32型の有機ELディスプレイパネルを生産しているが、民事再生手続きを始めることに伴い事業の終息(=清算)を行うことになった

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月26日 更新
  1. Anthropicが常時稼働するエージェント「Claude Duet」を発表/AMDとIntelが協業 PyTorchのx86 CPU最適化を「oneDNN」に一本化 (2026年10月25日)
  2. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  3. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  4. 定格1650Wの7.5万円電源&Noctuaファン採用の異常検知アダプターが登場! (2026年10月24日)
  5. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  6. エイサー、Ryzen 3/5を搭載したコンパクトデスクトップPC Amazon専売モデルも用意 (2026年10月23日)
  7. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  8. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  9. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  10. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー