結論からいうと、現行のArm版Windows向けZoomアプリではバーチャル背景機能をしっかりと使える。背景ぼかし機能も、特にカク付くことなく利用可能だ。
「リリースノートに記載がないから使えないままなのでは……?」という不安は杞憂(きゆう)に終わったことになる。
先述の通り、バーチャル背景機能や背景ぼかし機能は、それなりにCPUパワーを使う。Windows 開発キット 2023が備えるSoC「Qualcomm Snapdragon 8cx Gen 3」は、CPUコアを8基搭載している。そこそこパワフルなはずなのだが、どうだろうか?
まず、普段のZoom会議を想定し、Zoomアプリとは別にEdgeで「Google カレンダー」「Google スプレッドシート」と他に3つのタブを開いた状態で、メモ用に「メモ帳」を同時に起動してみた。
Edgeで新しいタブを開くと、一瞬CPU負荷が高まるものの、基本的にはCPU使用率は7〜8%で推移する。Web会議は全く問題なさそうである。
相手が画面共有すると、開始時にCPUへの負荷が高まる。これはWindows 開発キット 2023でも同様なのだが、いったん共有が始まってしまえばCPUの負荷は7〜8%で安定する。こちらも問題ない。
逆に、自分が画面共有するとどうなるだろうか。自分が「ホスト」となるため、画面共有の開始時はもちろん、共有対象のウィンドウのサイズを変えるとCPUへの負荷が高まる。ただ、ウィンドウの表示内容を更新しない限りは、CPU負荷はやはり7〜8%で安定する。
画面共有を活用しても、思った以上に快適に使えることはある意味で“収穫”だった。
ネイティブ動作するArm版アプリを使ったせいもあるが、Windows 開発キット 2023は開発業務をこなしつつ、Web会議にも活用できるパフォーマンスを備えていることが分かった。これだけキビキビ動くなら、純粋な業務用端末として導入しても良さそうである。
ただし、Webカメラは外付けで別売であることに注意が必要だ。もっとも、一般的なUSB接続のWebカメラなら、特別なデバイスドライバなしでも動くので、ドライバー回りの心配は不要である。
ノートPCと比べると可搬性には劣るが、社内据え置きの端末と考えれば省スペースで、これだけのパフォーマンスを発揮できると考えると、非常に強力で魅力的な選択肢ではないだろうか。
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