では実際に使ってみよう。ケーブルは本体右側面にあるUSB Type-CもしくはHDMIポートに接続する。HDMI接続の場合は給電のためにUSB Type-Cポートも使用するので、ケーブルは2本必要になる。USB Type-Cは2ポートを内蔵しているが、機能的には特に違いはなく、どちらを使っても構わない。
初見で気になるのは、彩度がやや低いことだ。テキストエディタなどを表示するのはそのままでよいのだが、写真などを表示する時は多少色あせて感じる場合がある。これはパネルに問題があるわけではなく初期設定値がそのようになっているだけなので、気になるようならば設定画面から変更してやるとよい。
もう1つ気になるのは、付属ケーブルが短いことだ。ノートPCと本製品を並べ、それぞれ反対側にあるポートをケーブルでつなごうとすると、ケーブルをかなり急な角度で折り曲げなければ届かない。一般的にモバイルディスプレイ付属のUSB Type-Cケーブルはどれも長さに余裕はないのだが、ここまでギリギリなのは筆者の記憶にない。
もちろん、置き方によっては不自由せずに使える場合もあるのだが、置き方を制限してしまう時点でやはり問題ありと言っていいだろう。特に縦向きでの設置は、本体が不安定な上にケーブルで引っ張られて転倒しそうになるので、ケーブルの買い替えはマストと言っていい。
さて本製品の特徴の1つに、縦置きでの利用に対応することが挙げられる。本製品背面のスタンドは回転が可能なため、90度回転させることによって、横置きではなく縦置きにも対応できるのだ。外部スタンドなしで標準で縦横どちらの設置方法も選べるモバイルディスプレイは数少ないだけに、魅力的に感じるユーザーも多いだろう。
ただし、このスタンドは全長がそれほど長くないので縦置き時は長さが足りず、かなり後ろに傾いた状態でしか立てられない。そのため、ノートPCと画面の傾きを合わせられないこともしばしばだ。
スタンドに伸縮ギミックを追加するか、あるいは背面中央ではなく左右どちらかに寄せるなど、もうひと工夫あれば実用性は上がっていたはずで、少々もったいない印象だ。据え置きで使うならば、タブレット用のスタンドを使った方がよいだろう。
またニュースリリースや製品ページでははっきり触れられていないが、本製品はUSB Type-Cポート×2を用いたパススルー充電に対応する。本製品の接続先であるノートPCにUSB Type-Cポートが1つしかなくても、外部USB充電器→本製品→ノートPCの順に電力を供給できる便利機能だ。
試しに実際に測ったところ、ノートPCへの給電は39W程度に限定されてしまうようだ。一般的なノートPCは45W程度ないとバッテリーを充電できず、ただ電力消費を緩やかにすることしかできない場合も多いので、これでは少々心もとない。
そのため、スマホやタブレットなどとの組み合わせであれば有用な機能ではあるものの、いわゆるパススルー充電機能としてはやや力不足ということになる。この機能がニュースリリースや製品ページであまりアピールされていないのは、このことが理由なのかもしれない。
次にOSDメニューを見ていこう。
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