本製品はスマートリモコンなので、任意の家電製品の赤外線リモコンの信号を学習し、それらをスマホもしくはスマートスピーカーからコントロールできるわけだが、本製品が特徴的なのは、スマホやスマートスピーカーからの操作に加えて、本製品の正面下部にあるタッチ式のボタンを使っての操作にも対応していることだ。
登録できる設定は1つだけなので、家電製品を直接登録した場合は操作できるのは1台のみだが、複数の家電製品を一斉にオン/オフするシーンを作って割り当てておけば、部屋を出るときに全ての家電製品をオフにし、部屋に戻ってきたらまとめてオンにするといった操作も行える。
個人的に感心したのは、赤外線リモコンの登録について、従来のハブからの設定の移行をサポートしていることだ。一般的にスマートリモコンは、新しい製品に買い替えると、赤外線リモコンの設定を最初からやり直さなくてはならず、面倒さを嫌ってそのまま使い続けることになりがちだ。正式に移行機能をサポートしているのは、「Nature Remo」などごく一部の製品となる。
しかし本製品は、ネットワーク上に存在する他のSwitchBot ハブミニに登録された赤外線リモコン設定を読み込めるので、再設定の手間がかからない。今回は、筆者が既に使用しているSwitchBotハブミニに登録されていた設定を、そのまま本製品で読み込んで利用できた。
ちなみにヘルプを見ると、このコピー機能はSwitchBot ハブミニおよびハブプラスが対象で、2021年10月以降に生産されたモデルが対象とのことだ。つまり全モデルでなく、ユーザーによっては恩恵を受けられない可能性はあるのだが、移行まで考慮に入れている点は高く評価されるべきだろう。なお前述のシーン設定も、デバイス間で共有されるので、移行にあたって再設定の手間はかからない。
このように、本製品は従来のスマートリモコンと異なり「参照する」「タッチで操作する」機能を備えていることが特徴だ。そのため本製品の設置先は、赤外線信号が届きやすいことに加えて、これらの操作が行いやすい場所、例えば部屋の入り口の、照明器具のスイッチがある付近などがベターだろう。
なお1つ気をつけたいのは、本体ボタンに登録してコントロールできる家電製品は、本製品の赤外線リモコンに登録済みの家電製品か、もしくは「SwitchBot プラグミニ」など同じSwitchBotアプリ内で制御できる製品に限られることだ。
もし自宅内でスマートスピーカーを介して、さまざまなスマートホーム製品を設置していたとして、全てがSwitchBotアプリで制御できる製品とは限らない。例えばHueのライトや、他社のスマートプラグでオン/オフしている家電製品などは、SwitchBotではない別のアプリで制御しているので、本製品のタッチボタンに割り当てようとしても割り当てられない。
例えば筆者は今回、本製品のタッチボタンに室内の照明器具を割り当てようとしたのだが、当初その照明器具は他社のスマートプラグで制御していたため本製品には登録できず、別の家電製品で使っていたSwitchBot プラグミニと交換することで、初めて登録が行えた。
本製品はそもそもスマートリモコンであり、スマホやスマートスピーカーから枝分かれしたその先にあるので、根元から分岐した他のスマートデバイスが制御できないのは当たり前なのだが、実際に使ってみるまでこの概念が理解できず、思っていたことができなかった、というケースはあるかもしれない。
ここでポイントになるのがスマートホームの共通規格「Matter」への対応なのだが、現行のスマートデバイスがアップデートで対応するにしても、もう少し時間がかかると考えられる。そのあたりを見極めながら、SwitchBot製デバイスに入れ替えたり買い足したりするか、それともしばらく様子見をするかは、ケースバイケースの判断が必要になってくるだろう。
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